スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【13日目】スペイン巡礼 〜Castrojeriz

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/16

スペイン巡礼13日目

 
朝起きて支度をして、二階から降りていくと、リビングには朝食が用意されていた。トーストにクッキーにフルーツ。ポットに入った温かいコーヒーと紅茶まで準備されていた。オスピタリオ(管理人)が用意してくれていたようだった。とても有り難い。寄付BOXに小銭を入れて、宿を出た。
 
今朝も空気が乾いた朝だった。暗くて遠くまでよく見えないけれど、川や森が近くないことが肌感でわかる。昨日の続きの、道路沿いをいく。20分も歩くと、次の村Rabeについた。ここもすごく素敵な雰囲気の村だった。村の真ん中に広場があり、噴水もあった。道は綺麗な石畳で、物語に出てきそうだ。いつものごとく、もう少し我慢して歩けばよかった・・と後悔。
 
そしてこの日、ついにMESETA(メセタ=何もない大地)と呼ばれる、地域に突入した。San jean pied de portを出発してから12日間、地形の起伏も激しかったが、緑が多く日々景色が変わり、見るものすべてが初めてで楽しい道を歩いてきた。だが、これからの5日間は、そうではない道が始まる。
 
巡礼路を歩いた人によると、このメセタ地域は、とにかく「何もない」そうだ。永遠かのように乾いた平坦な道が続く、そんな道。巡礼者によっては、この道をバスでスキップする人もいるようだが、真面目で欲張りな私にはそんなことはできない。この800kmをすべて歩いて、楽しみつくしたい。そんな気持ちだった。
 
目の前には、地平線まで、そしておそらくその地平線の先もずっと、麦畑が広がっていた。そしてその真ん中を突っ切るように一本道が続いている。遠くに白い風力発電のプロペラがいくつも立っている。歩いているうちにそれがどんどんと近づき、その大きさに驚き、下からプロペラを見上げ、そしてその横を通り過ぎ、どんどんと遠くになり、小さく見えなくなっていく。だけど前を向き先を見つめると、また新しいプロペラが地平線の先に見えてきて、どんどん近づいてくる。その繰り返し。 
 
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通りすぎたプロペラはいくつになるんだろう。振り返ると下から見上げてその大きさに圧倒されたプロペラが、もう地平線に隠れて見えなくなろうとしている。それにしても、どこまでいったら終わりが見えるのだろうか。
 
ドラえもんの「魔界大冒険」に出てくる、魔界の森に似ているな。どこまでいっても同じ景色に見えて、進んでいるようで、ぐるぐると同じところを回っていた。そんな気分。
 
途中、Hornillosという何も特徴のない、店も何にもない村を通り過ぎると、また同じような景色のっだだっぴろい麦畑に突入した。もうかれこれ15km以上はこのような同じ道を歩いていた。
 
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どこかのだれかがブログで書いていた、素敵な村が次の目的地。それを目指して、無心で歩いた。そしてついに、このだだっ広い大地に終わりが見え、まるでオアシスのような可愛らしい村が現れた。Hontanasだ。
 
村の入り口に雰囲気のよいカフェがあった。庭には芝生があり、テラスで巡礼者たちがコーヒーを飲んでいた。私もサンドイッチとカフェコンレチェをオーダー。テラスで思わず靴を脱ぎ、休憩。本当に心地の良い村。このカフェはAlbergueも併設しているらしく、できることならここに泊まりたい。そんな雰囲気。
 
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だがしかし、今日はとっても大切なミッションがあるため、もう少し頑張らなくては。思い腰をあげ、村を通過し巡礼路を進んだ。
 
だだっ広い大地を抜けると、畑の中のあぜ道をゆくようなルートだった。山間の民家の前に小さな菜園があり、その中を突っ切るイメージ。のんびりとした風景が続く。そのうちにまた車の通る道路脇の道を歩き、時々遺跡のような壊れかけた古い石造りの建物の横を通った。
 
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ジリジリと照りつける太陽を避けるように、木陰と木陰の間を走ったりして、少しでも暑さをしのごうとした。空は真っ青で、スペインらしい気候の中で、スペインの田舎を歩くという理想の光景の中に自分がいる。幸せだ。
 
そして、やっとの想いで、今日の目的地Castrojerizについた。これはある意味ミッションだった。日本にいるときに友達なった女性Aさんの友達のスペイン人( 日本在住)Bさんの、そのまた友達Cさんが経営している宿に泊まりに行くということだった。ちなみに、わたしはAさん以外は会ったことがない。こんな状況の中でだが、せっかくなので訪ねてみることにした。Cさんの経営するAlbergueは、ちゃんとマップにも載っていた。と、まずは村の入り口のカフェをビールを一杯飲んでから。(恒例)
 
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CさんのAlbergueは村のはずれの方にあった。結構入り組んだ場所にあり、わかりずらかったが、うろうろしていると発見した。受付にいたのが、Cさんなのか尋ねると、なんとCさんだった!ややこしいので、BさんのFacebookを見せながら事情を説明。するととても驚いて喜んでくれ、大歓迎してくれた。
 
このAlbergueの最高なところは、大部屋にして初めてのシングルベットだったこと!もう痛い足を引きずって二段ベッドの上に上がる必要はなし、下の人のことを気にしないでよいのは最高だった。キッチンもダイニングも広くて素敵だった。近くにレストランはなさそうだったので、夜は久しぶりに宿でいただくことにした。
 
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午後、CさんにAlbergueの経営について少し話を聞くことができた。このAlbergueのビジネスは3年ほど前に始めたそうで、案外うまくいっているそうだ。オープンしているのは、4月〜10月までで、ピーク時の6月〜9月は休みが1日もなく、満室でフル回転の日が続くそう。11月以降の冬季休業ときは、世界旅行をしているとのこと。日本にもBさんに会いに何度もきたことがあるとのこと。なんだか、理想的な生活だな。寄付で成り立っているようなイメージもあるAlbergueも一つのビジネスとして、成り立つんだと発見。
 
夜、宿に泊まるみんなで食卓を囲んだ。メニューはCさんの手作りパエージャ!本格的に鉄板で作ってくれるのだ。ワインでみんなで乾杯をしながら雑談。なんと日本人の男性もいた!道中で日本人にあったのは、これが初めてで久しぶりに日本語で会話をしてみる。なんと、お年は75歳で、一人でカミーノに来たとのこと。カミーノのトレーニングのために、四国のお遍路さんも二回歩いたという、とってもバイタリティのある、エネルギッシュなおじいちゃんでした。元気をもらえた!
 
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食事のあと、ダイニングに残っていた巡礼者数人と、Cさんと、Cさんのお友達と、ワインで乾杯した。ウクレレを持ちあるている女性が弾き語りをはじめ、みんなで歌った。Cさんは自分のバンド活動もしているらしく、ギターも弾くそうで、ウクレレで一曲弾いてくれた。なんだかいつもと違って楽しい夜。
 
いつもより夜更かししたけれど、明日も早いので23時頃にはみんなでおやすみを言って、それぞれの部屋に帰っていった。すごく素敵な思い出がまた一つ増えた。

 

 

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【12日目】スペイン巡礼〜Tarajados

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/15

スペイン巡礼12日目

 
2017年6月15日
Obanaja-Tarajados
 
今日はBurgosまでのたった10kmなので、すこし寝坊して出発するつもりだった。が、いつもの早起きが身体にしみついて早く起きてしまった。もう一人泊まっていた女性は、もう出発していた。もう一眠りしようとウトウトしていると、急に下の扉をドンドン叩く音がした。飛び起きたものの、ドンドン叩く音は鳴り止まない。Albergueのオーナーは別の住まいがあるのか、この建物内にはいないようだ。ということは、私がたった一人。いつまでたっても、叩く音は鳴り止まない。恐る恐る起きて、下まで降りてみる。ドアの鍵をそっと開けてみると、同じ部屋に泊まっていた女性だった。携帯を充電したまま起き忘れたとのこと。そりゃ大変。「ムーチョグラシアス!」と何度も言いながら出て行った。
 
Albergueの管理人は夜は自分の家に帰るので、建物は夜間は自動ロックがかかり、外へ出て行くことはできるが、一回でたら入れなくなることが多い。中には、鍵も外からかけられて、朝も管理人がくるまで鍵が開かないところもいくつかあった。何か室内で事件でもあれば、巡礼者は中に閉じ込められたままだ。そう考えるととても怖い。
 
寝坊するつもりが、ある意味事件で起こされてしまったので、しぶしぶ支度を始めて出発した。朝も空気は乾いていて、今日も暑くなりそうな予感がした。
 
Burgosまでは、大きな道路沿いを歩いていく。時々トラックなども通り、結構大きな道路だ。最初は草原の中の大通りを歩いていたが、そのうちに建物が増えてき大通りに入った。工場や、大型の車屋や家具屋、電気屋、飲食店もある。ブリジストンの大きな工場もあった。車も多く通り、高速道路の上も横切った。ここまで街中になると、バックパックを背負った巡礼者は明らかに浮いていた。
 
そしてあっという間にBurgosの街についた。ホタテのマークを見失わないように、街中を進んだ。目的は、カテドラルと言われる大聖堂。旧市街に入ると、古くて歴史のある建物が並んで、巡礼者の私でも歩いていて違和感がなくなった。お店もいっぱいあって、賑やかだ。建物が入り組んでいても、カテドラルの特徴的な三角の屋根が見えた。お腹も空いていたけれど、まずはカテドラルに行ってみよう。
 
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表に回り、写真を撮ったら見学に。巡礼者手帳を見せると、拝観料が割引になる。バックパックをロッカーにあずけて、いざカテドラル内に。大きな屋根の大聖堂の中は、たくさんの祭壇があり、その装飾の煌びやかさと、細かさとら美しさに目を奪われた。ミサの時に座る椅子に座り、みんな上を眺めている。素敵な光景。どれを見ても彫刻がとても細かくて見入ってしまう。いろんなキリストの物語が描かれていて、どれも引き込まれてしまう。世の中の美しいものを、この聖堂内で一気に見れてしまったみたい。
 
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カテドラルを出ると、なんだか現実に引き戻されてしまったかのような感覚。午前11時には観光し終わってしまって、なんだか時間を持て余してしまった。よし、次に進もう。そう決めたらスーパーでお水を買うと、早速歩き始めた。
 
街を外れると、すぐに田舎の道に出た。高速道路と高速道路の間の、整備された草むらの中を進む。厳しい日差しが、私の体力をジリジリと奪っていった。
 
身体からダラダラと流れる汗と、身体に合わないバックパックのせいですごくイライラしていた。 忘れていたけれど、この時には45リットルのバックパックが自分の身体に合わなさすぎて嫌気がさしていた。なんとかして、バックパックを買い換えたい。そのことばかり考えていた。
 
性格の悪いイギリス人が、これまた悪口と愚痴を叫びながら、追い越して行った。世の中にはいろんな人間がいるもんだ。改めて思う。
 
もう無理だ。干からびながらたどり着いた小さな村のAlbergueにチェックインした。女性が一人で管理している、小さな宿だった。到着するなり、フルーツジュースを出してくれた。二階の部屋を案内してくれてたが、部屋は蒸し暑く、冷房がないため、窓を開けていた。荷物を置いて、洗濯をして、道を渡った先にある小さなバーに昼食を食べにいった。ビールとハンバーガーを頼む。目玉焼きとベーコンをサンドしただけのハンバーガーは、4.5ユーロだったけど、なんだかとっても美味しかった。店内では、地元の人間だと思われる男達が新聞を読みながら、世間話をしていた。時々大声で笑い、店の亭主の女と喋っていた。のんびりとした暑い午後がすぎていく。
 
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近くの小さな商店で缶詰とパンを買って帰った。宿のポーチに小さなベンチがあり、夕方そこに座って涼んでいると、一人のアジア人女性の巡礼者がやってきた。彼女は身体中虫さされて赤くただれていた。理由をきくと、寝袋についたダニ”Bed bug”が原因だそうだ。宿の管理人の女性が寝袋を調べて、寝袋を洗濯して乾かすようにアドバイスしている。巡礼中の宿のベッドには、布団はない。マットレスがビニールで覆われているところもあれば、布のままのところもある。明らかにダニがいるんだろうな、と思いつつ、寝袋からあまりでないように気をつけて寝ていたのでダニの被害にはそんなにあっていない。だが、これだけ人が毎日出入りする宿で寝ているんだもの、ダニの被害に合わない方がおかしい。と、自分がラッキーだったことを棚に上げて、アジア人がだるそうに寝袋を洗う姿をぼんやりと見ていた。

 

 

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【11日目】スペイン巡礼 〜Obanaja

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/14

スペイン巡礼11日目

 
今朝は出発と同時に、ものすごく急な坂道を登ることになった。つま先に体重をかけていないと、荷物の重みで後ろにひっくり返ってしまいそうなほどの傾斜。朝からきっつい。 いつも通り真っ暗な中出発したので、250ルーメンのヘッドライトが役に立った。周りの巡礼者も、私のライトを頼りにしていたほど。
 
やっと山を登りきると、今度はものすごい急な下りの坂道が現れた。「えー!今、登ってきたのに・・・」。今後はカカトに体重をかけないと前のめりに転がり落ちてしまいそうなほどな下り坂を慎重に下っていく。下り切る前に、その先に目を疑うほどの光景を目にしてしまった。
 
山を下った先は、株価だったら嬉しさで笑みがこぼれるほどV字回復!せっかく下ったのに、また今度は急な上り坂。登ったり下がったり・・・どんだけ巡礼者に負担かけさせんねん!
 
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そんなこんなで本日の難所を越えたあとは、静かな森が何キロも続いた。森の中に、補整されていない4斜線くらいはありそうな広い道が続いている。時々、ネイティブインディアンをモチーフにしたようなオブジェが道端にあった。あと、巡礼者が作ったであろう、道端の石で矢印がところどころにあった。
 
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森を抜けると、遠くに小さな村が見えた。ここからが意外と距離があるんだよね。今までの経験から、距離が予測できるようになっていた。
 
 
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たどり着いたAgesという村は、私の中で大好きな村のひとつになった。小さな村だけれど、家々が可愛くて、通りもきれいで雰囲気がよかった。ここに泊まるのもいいなぁ。かわいらしいカフェをみつけたので、朝食に入ってみた。瓶詰めのジャムやパンなどが売っていて、内装もとっても可愛い。まるでおとぎ話にでてくるみたいな、小さな商店。奥のカウンターでカフェコンレチェを頼んで、表のテラスで飲んだ。老夫婦で経営しているらしく、奥さんはとても感じのよい人だった。素敵な村に、素敵なカフェ。巡礼中はこういった雰囲気のよい村を見つけるのが、楽しい。全ての村に個性があって、きっと巡礼者それぞれに心地よさの違いがあるんだろうなぁ。
 
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村を抜けると、今後は国道を沿いを歩く道に出た。田舎道なので、車はあんまり通らないけど、コンクリートの道を歩くのは土の道を歩くよりも照り返しが強い気がする。途中、Atapuercaという原人の住居などの遺跡が発掘された町を通った。観光地として遺跡もみれるというが、暑さでそれどころではない。パス。
 
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遺跡の町を抜けると、小高い丘がそびえていた。渇いた土に、潤いのない草木が生えている。坂道には岩もごろごろして、登りにくい。ぜぇぜぇ息を切らしながらのぼっていくと、隣を体力のある太った白人の女性が私を追い越していく。悔しい。が、追い越せない。自分のペースで登っていく。
 
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登り切ると少し平坦な場所があり、盛られた土に大きな十字架が立っていた。周りには巡礼者たちが置いていった小石が散乱していた。先をいった白人の女性が熱心にお祈りしている。それを横目に先をいくと、今度は坂を下った先にだだっ広い大地が地平線まで続いていた。地平線のあたりに、大きな街が見えた。あれが、巡礼中の二つ目の大きな街Burgosだ。気が遠くなりそうなほど距離がまだまだあった。
 
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かなり日が高くなり、雲ひとつない青空の真ん中にギラギラと輝く太陽が元気に活動中だ。あたりは木陰もない、草原地帯の道が果てしなく続いていた。休むところもないので、歩くしかない。
 
つらい、今日はとくにつらい。残りの水も少なく、水分補給できる水道も、店もない。熱中症になりそうだ。意識が朦朧とする中、汗を垂れ流しながら進む。たくさんの人に追い越され、Buen camio!と声をかけてくれるが、それに返事をする気力もない。今日はだめだ・・。
 
 Burugosを目指すことを諦めて、途中にあったObanejaという村にたった一軒あるバーの、二階にあるAlberugeに泊まることにした。荷物を置き、とりあえず一階のバーに駆け下りてビールを一杯飲む。蘇生した。生き返る〜!表のテラスには観光客の団体がBBQを楽しんでいるようだった。店の中にはカウンターに男が一人ビールを飲んでいるだけで、他には私以外誰もいなかった。二杯目のビールを飲み始めて、やっと意識が戻ってきた。登ったり下がったりした今日1日の工程を改めて振り返ってみる。Burgosにも行けなかったけど、よくがんばった自分を褒めてあげよう。
 
 
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バー以外に何もない村だったので人気がないのか、その夜、その宿に泊まったのは、私と、もう一人女性だけだった。バーは夜に閉まると、亭主は家に帰るらしく、建物には私とその女性一人だけ。なんだか少し怖かったが、疲れたので気絶するように眠った。
 

【10日目】スペイン巡礼 〜Villafranca

カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/13
スペイン巡礼10日目

昨夜泊まったGranonはリオハ州とレオン州の境目の小さな村で、出発するとすぐに州を越えることになる。今日の工程は比較的平坦で、大きな山場もなければ、じっくり見るような建造物もない。そんな行程。

昨日まであんなにカラカラに晴れていたのに、今日は辺りは霧に包まれていた。暗いうちでも、肌にじっとりと空気が触れ、霧が出ているのがわかった。辺りが明るくなってもなかなか霧は晴れず、薄暗い中を進むしかなかった。


ひたすらに歩いていると、霧の中から一面の花畑が現れた。田んぼのように区画整理させていて、花が咲いているところと、咲いていないところがあった。花は白く、ブラックライトで光るように薄暗い景色の中に浮いて見えた。一体何の花なんだろうか。農機具が置いてあったりするから、きっと農作物なのだろう。


霧が晴れると、今度は緑の草原が現れた。地図を見ると、3キロごとくらいに小さな村が点在していた。この中から、今夜の宿を決めよう。一つ目、「うーん、小さい」。二つ目、「うーん、なんか雰囲気が悪い」、三つ目「うーん、もうちょっと先までいけそう」。そんなこんなを言っているうちに、今までで一番距離を歩いていた。

もう一度地図を見直し、山の中腹にあるVillafrancaという町までいくことにした。翌日はちょっとした山を登らなければならないことを考えると、今日のうちに山の途中まで進んでおいた方が楽だろう、という考えだった。

この選択は正解だった。Villafrancaは規模小さく店もほとんどないけれど、景色がすばらしい美しい町だった。イメージでいうと、ハイジが住んでいそうな夏の緑あふれるアルプスの山だ。リゾート地のようで、カミーノを歩く以外にも、観光客が滞在しているようだった。今日は少し奮発をして、リゾートホテルに併設されているアルベルゲに泊まることにした。入り口はホテルと一緒なのでとても立派な造りだった。受付をすませると奥にある裏口から、裏庭になる巡礼者専用の建物に通された。アルベルゲといっても、建物の造りは立派で、設備も新しく清潔で広々していた。久しぶりにこんな感じのところに泊まった。ホテルと比べると簡素でまるで贅沢といえないけれど、巡礼宿と比べるともうAランクのアルベルゲだ。

シャワーも洗濯用のシンクもとっても綺麗で申し分なし。ただもちろん二段ベッドなのはいつもと変わらないけど。洗濯物は裏庭の大きな物干し場に干すことができた。ここがとっても眺めがよく、心地の良い場所で、芝生に寝転がってのんびりできる場所だった。


近くの商店で飲み物やパンやハムやスナックを買い込んで、裏庭でピクニックをした。こんなすばらしい山あいの景色を見ていると、ここに来て良かったなーと改めて感謝の気持ちがこみあげた。

午後になるとぞくぞくと巡礼者がやってきて、あっという間にベッドはいっぱいになった。みんながシャワーや買い物にでかけると、建物内はとても静かになった。小さなキッチンがあったので、お湯を沸かし、持っていたハーブティーを入れてみた。小さなキッチンの、小さなテーブルで一息をついて、なんだか脱力感で心地よかった。少し急ぎすぎたかもしれない。距離をかせぐことや、ほかの巡礼者との競争みたいになっていた自分を反省した。自分のペースでいいんだ、と改めて自分と向き合って話あった。ほっとしたと同時に、さらに心が脱力していく感覚があった。カミーノにきてよかった。

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【9日目】スペイン巡礼〜Granon

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/12

スペイン巡礼9日目

 
今朝は100人規模の大部屋(男女混合)だったので、みんなを起こさないようにかなり気を使って起きた。就寝室を出るとすぐに談話室兼キッチンなのだけど、もう何人かが支度をしていた。もうすでに埃だらけの靴を履き、紐をぎゅっと締めて歩き出す。
 
昨日パワーをもらった、エアーズロックのような赤土の大きな岩には切り通しのような通り道があって、越えていく。街灯がなく真っ暗な道をヘッドライトだけで照らして進んでいく。よくよく考えてみると、怖いんだけれど、やっぱりワクワクの方が大きくて。この闇の先がどうなっているのか知りたくて、ずんずん進む。
 
20分も歩かないうちに、ほんのうっすらと、真っ暗闇が濃い紺色になったころ、進んできた道を振り返ると、町でみたエアーズロックのような岩がはっきりとしたシルエットで見えた。あんなに大きかったんだ!砂漠のような平地にぱかっと逆さにして盛られたプリンのような岩だった。これも本当に美しい景色。写真には撮れないので、心に焼き付けて先を進む。
 
今日の工程はほとんど村がないので、最初の村でカフェによらないと1日中なにも食べられなそうだ。5kmほどいったAzofraという小さな村のカフェでカフェコンレチェとクロワッサンを食べる。並べられたオムレツにはコバエがいたので、袋入りのクロワッサンにしたのだ。こんなこともある。でもカフェコンレチェはやぱり美味しい。この村で食べておいてよかった。案の定、この先には食べるところなど何もなかった。
 
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この先は少し高低差のある山をひたすら登っていく。なだらかな上り坂なので、感覚としては平地を歩いているような。でも膝にはしっかりと負担がかかっている。あたりは一面、草原。
 
日本にいる母が、今日の行程沿いにある「空に続く道」を写真に撮ってきてほしいと言っていた。Ciruenaという村の近くにあるとのこと。それらしき村に辿り着く。新しそうな集合住宅が並んでいるがどこも空き家でまるでゴーストタウン。人っ子ひとりあるいていなくて、寂しい村だった。村を抜けると、また草原に突入する。みんなどこで買い物とかしてるんだろ。
 
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例の「空に続く道」というのが、なかなか見つからない。なだらかな傾斜に一本道が続き、他に建物がないので、まるで空に続いているようにみえるようだが、どこまでいっても草原に一本道なので、どこがその道なのかがわからない。どれもそのような道にみえる。いくつかのポイントから何枚も写真をとって、なんとかそれらしき道を発見できたからよかった。
 
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いつまでも続き草原に嫌気がさしてきたころ、やっとSanto Domingoの町についた。小さくもなく、大きくもなく、これといって綺麗な建物や教会もなく、中途半端な印象。そして何より、陰気臭い。カミーノを歩いて身についたことは、気持ちのよい場所かそうでないのか、自分自身ではっきりとわかるようになったこと。そして、この町はわたしにとって気持ちのよい町ではないのだ。スキップして次の町へ向かうことに決めた。
 
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と、その前に、私は大きな決断をした。「よし、寝袋を買い換えよう。」これは冗談ではなく、本当にこの町のアウトドアショップで買い換えたのだ。日本から持ってきた寝袋は新しいものなんだけど、なんせサイズが大きい。私の45リットルのバックパックの半分ほどを占めていた。さらに周りのヨーロッパ人が持っている寝袋は驚くほどコンパクトで、軽そうだった。宿でそれを見るたびに羨ましくて仕方なかった。荷物の大きさと重さが歩くことに重大な負担がかかることを知った私は、ついに寝袋を買い換えた。日本から持ってきたものの、1/3くらいの大きさで70ユーロくらいだった。前の寝袋はその場で捨ててもらった。バックパックが一気に軽くなり、快適になった。よし、これでこの先も歩けそう。
 
Santo Domingoの町から5キロ先の、Granonという町を目標にした。すでに足はだいぶ疲れて、日も高くなっていたので、体力のタイムリミットは近い。車の通りが結構多い、大きな道路沿いのカミーノ専用道路をとぼとぼと歩く。道は砂利で、乾燥しているので埃が立ち、つらい。意識が朦朧としながら、途中で立ち止まりながら、やっと着きそうになった時、なだらかな坂道が地味につらい。半べそになりながら村に到着した。小さな村だが、少し高台にあり、風通しもよくて雰囲気もよい。まずはカフェに入り、ビールとサンドイッチを食べた。急に身体が冷えて、寒くなった。おかしなものだ。
 
目の前に教会があったので、ぐるりと回ると、なんと教会の二階にアルベルゲがあるとのことで、今夜はここにお世話になることにした。古くて、頑丈な石造りの薄暗い螺旋階段を登っていくと、Tシャツにゆるっとしたデニムをきたおじさんが迎えてくれた。冗談を言われたのだが、スペイン語でよくわからなかった。受付をすると、ここはスタンプがないこと、寄付制の宿であること、食事はみんなで取ること、を教えてくれた。二階にキッチンと談話室があり、三階はなんと雑魚寝タイプの寝室だった。もちろん男女混合で薄いマットレスの上に寝袋を敷いて寝るタイプだった。わたしの隣は太ったおじさんだった。「この人、いびきがうるさそうだな」と思ったけど、夜は案の定うるさかった。屋根裏部屋には洗濯ルームがあるが、薄暗くて風も通らないので乾きが悪そうだ。みんなは外の芝生にそのまま洗濯物を広げて乾かしていた。洗濯をすませると、散歩に出てみた。が、住宅と教会しかない静かな村だった。
  
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夕方、アルベルゲを管理するおじさんと、アルベルゲの料理人のおじさんと宿泊するみんなでご飯の準備をした。野菜を切ったり、お皿を並べたり。みんなでやると早くてとっても楽しい。サラダと具沢山のスープとワイン。デザートにはオレンジ。いろんな国からやってきてたまたまこの宿に泊まった20数名が、一緒にご飯を食べた。共通言語は英語。楽しい会話と、おいしい食事。これこそ、カミーノでやりたかったことの一つが体現できた。
 
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食事のあとはみんなで後片付けをして、秘密の扉を開けて、秘密の部屋に移動。そこは教会の屋根裏部屋だった。下には先ほどミサをした講堂がみえる。黄金のマリア像が輝いていて荘厳に見えた。ろうそくを一人一人もち、3分間の瞑想をした。が、笑いをこらえきれないメンバーが数名いて、みんなで大爆笑。瞑想のあとは、自分がカミーノにきた目的を一人ずついい、そして最後はみんなで握手とハグをし合い、終了。こういったことをリフレクションというらしい。初めての経験で、たのしかったし、この場にいられたことが幸せだった。みんなで何かを一緒にできたこと、時間を共有できたことがなにより幸せだった。表現しがたいが、これが素直な気持ち。
 
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そんな幸せいっぱいの夜は、おじさんの大爆音のいびきに耐えながら、就寝したのでした。
 
 

【8日目】スペイン巡礼〜Najera

カミーノ・デ・サンティアゴ 

2017/06/11

スペイン巡礼8日目

 
Logrono-Najera
 
お祭り騒ぎでよく眠れなかった翌日、少し遅めに出発する。街中はやはりホタテマークが見つけにくい。今日の行程は今までで一番長い、29kmほどある・・。気合を入れて出発。相変わらず小麦畑を進み、今度はぶどう畑が現れた。ワインが有名なリオハ州なだけあって広大なぶどう畑が続く。フランスなどにあるぶどう畑 は、傾斜のある地形で火山灰が多く含まれた水はけのよい土壌にあるイメージが多いけれど、スペインのぶどう畑はまたちょっと違うみたい。赤土で、わりと平坦な大地に、ざーーーっとぶどうの木が植えられている。まだ収穫の季節ではないらしく、細くてひょろっとした枝に葉っぱだけがついている。行けども、行けども、ぶどうの畑。麦の次は、一生分のぶどう畑を見ることになったのでした。
 
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畑の遠くにぼんやりと町らしい建物がポツポツ見えてきた。ここからはまだまだ距離がありそうだ。畑を抜けると、工業地帯のような場所を突っ切るように道が続いていた。数十メートルもありそうな山のように積まれた砂利や、錆びてすすけた鉄パイプがいくつも伸びるプラント工場のような地帯を進む。見るものがなく、つまらない道をひたすら進む。トイレにもいきたいのに、カフェどころか、店も見当たらない、寂しい工場地帯。おまけに日も気温も高くなり、苛立ちが募る。
 
コンクリートの川の河川敷を歩き、乾いて誰もいない公園を歩き、町を目指す。すぐそこまで迫っているのに、なかなかたどり着かない。いくつか店がみえてきて、さらに最初のアルベルゲも発見。でも目指すは公共のアルベルゲ。お腹も空いていたけれど、頑張って目的のアルベルゲを探してみる。
 
綺麗な川を渡ると、古くて歴史のありそうな、建物がかわいらしい通りにたどり着いた。川沿いのバルやレストランにはたくさんのお客さんで賑わっていた。とても活気があって、たのしい町。
 
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目的のアルベルゲは川沿いにあった。受付をすると、なんと寄付制とのこと。ボランティアで働くおじさんやおばさんは愛想がよく、笑顔がすてき。おじさんが大部屋に案内してくれると、そこは100台くらいのベッドが並ぶ、本当に大型のアルベルゲだった。もちろん若者は二段ベッドの上に通され、痛む足を引きづり、上に上がる。カーテンが閉められていて、少し薄暗かったが、よく見ると、二段ベットがぴったりとくっついて設置されている。つまり、隣の人が添い寝レベルに近くに寝ることになる。異性がきたらどうするんだろう・・と心配したが、そこは配慮してくれるらしく、私のとなりには女性が案内された。これはいびきが大きかった場合は大ハズレだな。
 
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洗濯をしたら、町をお散歩してみる。スーパーもあるくらいのサイズの町で、お水やパンやハムを調達した。帰り道、この町が大きな一枚岩のすぐそばにあることがわかった。建物のすぐ裏に赤土の岩の断面がそびえ立ってみえる。近づいてみると、全貌が見えないほど大きな岩だった。オーストラリアのエアーズロックに似ていて、岩の断面を見ただけで、すごく大きなエネルギーをもらえた気がした。10分ほどでぐるーっと回れてしまえるほどのサイズ感だけれど、とても親しみやすい明るい雰囲気の町だった。一見のバルに入り、ビールとチョリソーをほうばる。幸せな午後。
 
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夕方、涼しくなってから川沿いの芝生に寝転んで、人々を眺めてみた。みんな芝生にゴロンとしてくつろいでいる。川の対岸には移動式の遊園地があり、子供たちや大人たちが楽しそうに遊ぶ声と、爆音のスペイン歌謡曲が流れてくる。それに合わせて、こちら側の大人たちが口ずさんでいる。きっと流行りの曲なんだろうな。夕方の少し弱まった光の中でのこの光景が、今になってもなんだか忘れられない。
 
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【7日目】スペイン巡礼〜Logrono

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/10

スペイン巡礼7日目

 

素敵な丘の村Sunsolをあとにし、今朝も早朝に出発する。Sansolから10分ほど歩くとすぐにTorresという村についた。早朝でまだカフェも空いてないけれど、とてもよさそうな村だった。こちらに泊まってもよかったかも。道中には「あ〜やっぱり次の村の方がよかった〜」ということがよくあった。でもその時は疲れてヘトヘトでもう歩けない!と思って、近くの村にステイしてしまうのだけど、翌日歩き始めるとよさそうな村が見つかることがよくあった。それも言ってたらきりがない。

 
この日は月がとても綺麗だった。たぶん、日本でも話題になっていたスーパームーンのときだったと思う。まんまるで大きくて、地球の反対側で見ても同じように見えるんだなと感心した。が、わたしが見ていた月は、早朝の月。ぼんやりと当たりが明るくなってきて、景色が移り変わる様子を眺めながらスペインの田舎道を歩くなんて、なんて素敵なんでしょ。やっぱり朝に幸せをかみしめてる。
 
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さて、本日の目的地は、道中で3つの大都市のうちの一つ、ログローニョという街。そんなに距離はないはずなんだけど、本当に辛かった。田舎道を抜けると、車道沿いの道をひたすらに歩き、特に見るものが少なくて退屈してしまうのも難点。
 
 
 
膝が痛くなったころ、だんだんと田舎道から街のにぎやかな雰囲気の通りになり、気分も高まる。大きな川を越えてついたのが今夜の宿のログローニョだった。目当ては公共のアルベルゲ。12時前には到着してしまい、13時オープンとのことで荷物をおいて、靴からサンダルに履き替えて庭の小さな足用プールに足だけ浸かってみる。つめたくて気持ちがいい。乾きにくい靴下を洗って干して、街に繰り出すことにした。街を歩いてみると、今夜がキリスト今日のお祭りだということを知った。出店がいっぱい並び、街の真ん中の広場には人がたくさん集まっている。とってもにぎやか。一度宿に戻ってチェックインすると、また街へ繰り出した。
 
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日本のお祭りとにていて、食べ物や雑貨や金物や香辛料や伝統工芸品などの出店が道に連ねていて見ているだけでも本当に楽しい。オーガニックのソープなんかを売っている店もあり、楽しい。ここはいままで行ったスペインの街の中でも特に様々な人種の人たちが暮らしているようだった。サリーを身にまとった人や、ムスリムの人なんかが香辛料を売っている出店もいくつかあった。ワインを買って、生ハムやソーセージの試食をつまみながらのんびりお散歩してみる。あ〜なんて優雅な1日なんでしょう。とっても楽しい。リオハ州はワインが有名な土地柄ということで、バルをはしごしていろんなワインを飲んでみた。まるで旅行者みたいに夜を楽しんで10時が門限のアルベルゲに帰ったのでした。
 
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優雅な気持ちでベッドに入ったところまではよかったんだけど、キリスト教のお祭りは甘くなかったみたい。よるの12時を回ると急に町中の教会が鐘を鳴らし出し、泊まっているアルベルゲの隣も教会だから地鳴りのように響く鐘がそこらじゅうで鳴って、さらには花火までもがドカドカ上がり始めた。花火をみているであろう大勢の人たちが奇声をあげて盛り上がっている。わたしたちは鍵で締められた建物から一歩もでられす、電気もつけられないので、そのうるさい中で布団、ではなく寝袋にくるまってそれが止むのを待つしかないのだ。拷問。これも修行なのか・・。ついにはその鐘の大合唱はなんと1時間以上も続いたのでした。。。
 
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