LIFE IS EASY

32日間かけて、スペイン巡礼フランス人の道を歩きました!

【1日目】スペイン巡礼 〜Roncesvalles⑵

2017/06/04
 
つづき…
 
 
やったー!これで下れる!と思ったら甘かった。下山といっても、下りだけの道ではなく、時にはまた登り、そして降るといった「山あり谷あり」な下山路だった。雨は心なしか、登っているときよりも強くなってきている気がした。膝を痛めないように、ゆっくり降りようと決めていたものの、やはり「早く降りたい」気持ちが先行して、どうしても急いでしまいがち。膝の痛みは強くなりはじめていた。どれくらい降ったか、いつ間にかあたりは森林になっていて、紅葉樹の落ち葉がふっかふかのナチュラルクッションロードを作ってくれていて、膝への負担をだいぶ軽減してくれたと思う。それでも私の膝は限界にきていたと思う。「早く宿にたどり着きたい」それしかなかった。
 
 f:id:lifeiseasyjp:20170911202738j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911202811j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911202842j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911202904j:image
 
宿まで残り5km。そこで「危ないけど近道」「安全だけど回り道」の二択を選ばなければならないポイントに差し掛かる。雨は、もう”土砂降り”という表現に近いほどに強くなっていた。何人かの巡礼者は「近道」を進んでいった。迷ったが、たまたまその場にいた男性が「回り道を行こう」と誘ってくれたので、これも何かのご縁かと思い、彼についていくことにした。たしかに安全な道だった。しっかりと整備されたコンクリートの道路が、山の下の下の方まで続いていた。が、かなり長い道のりだということも、山の上からでもわかった。たっぷりと水分を含んだトレッキングシューズと限界を越えた膝という最悪のコンディションの上に硬いコンクリートから直に受ける刺激が、最高に苦行だった。途中、山下に雲海が見えた。土砂降りだったが、せめてもの思い出を残そうとカメラを向けた。それからは、もう精神力で乗り切ったとしかいいようがない。「はやく宿につけ」とブツブツ唱えながら、今日の天候に怒りをぶつけるのと同時にストレスも発散した。5kmを進むのに、1時間半以上はかかったんじゃないかと思われる。
 
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911203009j:image      
 
 f:id:lifeiseasyjp:20170911203037j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911203046j:image
 
やっと見えた修道院の屋根。「とにかくはやく受付したい」という無心の思いで、裏庭から道なき道を進み、アルベルゲの入り口のある棟にたどり着いた。ここはハリーポッターさながらの石造りの重厚な造りで、修道院を改装した200名近くを収容できる大型のアルベルゲ。多くの巡礼者が峠越えをしてここに泊まるという有名な場所。寒くて寒くて手がかじかんで、受付で自分の名前が震えて書けなかった。館内は大勢のシニアスタッフがいて、部屋への案内や洗濯ルームの説明など、スムーズに巡礼者をさばいていく。大勢が泊まるといえば「収容所」のようなイメージだったが、数年前に改装されたのか、部屋もベッドもシャワールームもかなりキレイだった。まずは真っ先に暖かいシャワーをあびて、しばらくベッッドの寝袋にくるまって、足のマッサージしながら、徐々に「峠を越えた」という実感と達成感が湧いてきたのを覚えてる。「やったんだ、ついにやったんだ」とフツフツとこみ上げるものがあり、もはや巡礼が達成できたような気持ちになっていた。まだ巡礼1日目なのである。
 
 f:id:lifeiseasyjp:20170911203117j:image
 
食事の前に初めてのミサに参加した。やり方がわからないので一番後ろの方に座り、キョロしながら、座ったり、立ったり、お祈りしたり、”アーメン”と呟いたり、周りの人を見よう見まねで、一通りを体験してみた。途中、教会の女性が袋を持って回ってきて、いくらかの寄付金を入れ、最後に回りの席の人たちと握手をして、終了。特に印象に残ったことはないが、教会内の雰囲気と、美しい装飾やステンドグラスや絵画は素晴らしいと感じた。あとで聞いたところ、巡礼ルートの教会はほとんどがカトリックで、ミサもカトリック方式で行われる。全部スペイン語で行われるところもあるが、英語通訳がいるところもあった。基本的に誰でも参加が可能だそう。
 
 
f:id:lifeiseasyjp:20170911203229j:image
 
ミサのあと、やっとその日の夕食にありつけた。はじめての”ペリグリノメニュー”(巡礼者専用のコースメニュー)を体験してみた。たまたま居合わせたテーブルのメンバーと会話しながら、ワイン、前菜、スープ、メイン料理、デザートをいただいていく。朝食から何も食べてなかったので、本当にありがたみを感じる食事だった。疲れた身体にワインが回りすぎないよう気をつけながら、巡礼1日目が終わったのでした。