スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【6日目】スペイン巡礼〜Sansol

カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/09
スペイン巡礼6日目
 
翌日も早起きして、みんなが寝ている間にそっと身支度をする。昨夜夜遅くまで街に繰り出していた若い子達はみんなまだぐっすりだ。荷物を全部もって一階へおりていくと、何人かが暗いキッチンでスマホの明かりを頼りに軽い朝食をとったりしていた。玄関の周りにも何人かが靴をはき、出発の準備をしていた。

昨日の夕方にも今日の道順を下見したが、どうやらホタテのマークがわかりにくそうだった。街中にいくほど、ホタテのマークが見つけにくくなる。交通標識やお店の看板が多く、気が散るのだ。何人かの人の後について、出発した。この選択は正しかった。何人かの大人がいても迷ってしまうほどわかりにくい。全員が「この人たちについていけば大丈夫」と思っているので、一番に歩く人が間違えれば全員アウトなのだ。間違えそうになっては、マークはどこがと全員で見回し、肩をすくめる。全員でウロウロして、誰かがマークを見つけると大声で叫ぶ。たとえ言葉がわからなくても、「それが見つかった」ということは以心伝心で伝わるのだ。
 
そんなことを繰り返しながら、なんとか街を脱出した。少し丘をあがり、それはあった。有名なワインの蛇口だ。イラーチェ村の近くにることはどなたかのブログで知っていただのだが、まさか朝の6時半に到着してしまうことは想定外だった。何人かが蛇口の回りにいて、マグカップや水筒でワインを飲んでいる。わたしもサーモスの水筒いっぱいにワインを入れて飲んでみる。うん、若くてフルーティだが、さっぱりしてておいしい。ジュースの感覚。そばにいた女性はアルコールが飲めないらしいが、記念だと進めると一舐めしていた。肩をすすめたが、”good"とのこと。これがお昼ころで、そしてお世話になるお宿がそばにあったらもっと酔っぱらえたのに。残念。無論、そばにあるワイン資料館も空いておらず、行けず仕舞い。先を急ぐことにした。ワインはなくなり次第終了とのことなので、朝に行けたのはラッキーだったということにしよう。
 
 
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そこからは上り坂のようだった。ゆるく長い上り坂で、緑は豊かだが先が見えない。アルコールを飲んでリラックスした状態とはいえ、朝7時の上り坂はこたえる。やっとのことで上りきると、視界が開けて広い麦畑が現れた。ちょうど朝日が上り、蒸発する朝露ですこしだけ霞んでみえた。麦が朝日に照らされてキラキラとひかり神々しくみえた。遠くに山脈がみえ、その下にはうっすらと雲海もみえた。なんて素晴らしい景色。思わず手を合わせてしまった。気づくと回りの巡礼者も手を組んでお祈りしていた。ここに来て良かった。そう思う瞬間はやっぱり1日のはじまりの朝にやってくる。一番清々しく、心が洗われる時間。ここにいられることを感謝して、この思い思いを忘れないよに噛みしめる。
 
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心がすこし軽くなって、先を急ぐ。急ぐ必要はないのだが、やはり日中の日差しのことを考えるとまだ涼しい時間帯に距離を稼ごうとやはり早歩きになってしまう。今日は緑の多い地帯で見るものが多く楽しい。オリーブ畑を突っ切るように歩く。途中道路をわたり、ずんずん進む。そして突入してしまった。永遠とも思える麦畑に。進めど進めど街などみえてこない。カラカラの大地に、日差しも強くなってきた。水もすこしずつ少なくなってきた。次の丘を越えたら、次の丘を越えたらきっと・・・と幾度も超えるも街はみえなかった。そして何個目かの丘を超えると、なんと、街、ではなく、出張カフェワゴンがみえてきた。ワゴンの回りにはテーブルと椅子が置かれ、ボカディージョやカフェコンレチェやナランハ(オレンジジュース)が飲める、まさにオアシス。心が折れたので、ここで休憩することにした。トルティージャとカフェラテをいただく。ここでいただいたものは格別に美味しかった。オアシス効果かな。割高なんだけど、こういった出張ワゴンには道中助けられました。
 
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そして気合を入れ直して出発。休憩している間にも随分とたくさんの人たちに追い越されたらしく、前を歩く人が増えた。そして膝の痛みも出てきた。そんな中、隣をさっそうと歩いて追い抜いていく若いアメリカ人の女の子が輝かしくみえた。前にちょっと挨拶をした程度の子だけど、綺麗な筋肉がついていて、はつらつとして格好いい。あんな女性になりたい。(といってもきっと彼女は年下だけど。)さっそうと歩く姿が、自由で自身があって、魅力的にみえたのだ。
 
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そしてやっと、今夜の目的地Los Acrossについた。とても古い街で、重厚感のある石の建物や教会が立ち並んでいるが、どれもとても歴史があり古そうにみえた。ずっと同じペースであるくアメリカ人のヒッピー男性もまた同じくたどり着いていた。ビールをおごってくれるというので、広場のテラスでみんなでビールで乾杯した。今日はここに泊まるのかと聞くと、みんなはもっと先に行くという。すごいなぁ、がんばるなぁと感心していると、「あなたもいくでしょ?」と当たり前のように聞いてくる。今夜はこの街にステイするというと、肩をすくめた。
 
しかし、よく理由はわからないが、わたし自身この街にしっくりきていなかった。なんだか陰気くさいというか、落ち着かない。魅力を感じないのだ。みんなの後押しで、わたしも頑張って次の街を目指すことにした。時間はお昼前だが、次の街までまだ5キロ以上ある。わたしにとってはものすごい覚悟。よし、行こう。体力が心配なのでみんなより先に失礼して先に出発することにした。
 
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ところがこれが本当に辛い道だった。道は平坦だが、きつい日差しと、あとは先が蜃気楼で滲むほど真っ直ぐな道。次の街が一向に見えない。はぁ、少しだけ後悔したが、もう進むしかない!がんばるぞ!足をひきずりながら、意識が朦朧としながら、なんとか目標としていた街の一歩手前のSun Solという小さな丘の上の街に辿り着いた。San Solとは”日が照らす”という意味で、本当に日陰がなく照らされ続けているであろう丘の上の小さな集落だった。星が綺麗に見えそうという理由で、あともうこれ以上は無理、という理由でここの少し料金がお高めのアルベルゲにステイすることに決めた。
 
トルコっぽいおしゃれなインテリアのホテルで、お庭には芝生と足を冷やすプールがあって本当に素敵な場所だった。ただお店が何もないので、ホテルで食事をするしかないのが難点だったが、もう選択肢はこれしかなかった。芝生に素足でリラックスしながら飲んだビールの味は忘れない。本当に素敵な秘密の花園。静かで、快適な午後を過ごしました。案の定、星空を見る前に就寝してしまいましたけど。
 
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