スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【10日目】スペイン巡礼 〜Villafranca

カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/13
スペイン巡礼10日目

昨夜泊まったGranonはリオハ州とレオン州の境目の小さな村で、出発するとすぐに州を越えることになる。今日の工程は比較的平坦で、大きな山場もなければ、じっくり見るような建造物もない。そんな行程。

昨日まであんなにカラカラに晴れていたのに、今日は辺りは霧に包まれていた。暗いうちでも、肌にじっとりと空気が触れ、霧が出ているのがわかった。辺りが明るくなってもなかなか霧は晴れず、薄暗い中を進むしかなかった。


ひたすらに歩いていると、霧の中から一面の花畑が現れた。田んぼのように区画整理させていて、花が咲いているところと、咲いていないところがあった。花は白く、ブラックライトで光るように薄暗い景色の中に浮いて見えた。一体何の花なんだろうか。農機具が置いてあったりするから、きっと農作物なのだろう。


霧が晴れると、今度は緑の草原が現れた。地図を見ると、3キロごとくらいに小さな村が点在していた。この中から、今夜の宿を決めよう。一つ目、「うーん、小さい」。二つ目、「うーん、なんか雰囲気が悪い」、三つ目「うーん、もうちょっと先までいけそう」。そんなこんなを言っているうちに、今までで一番距離を歩いていた。

もう一度地図を見直し、山の中腹にあるVillafrancaという町までいくことにした。翌日はちょっとした山を登らなければならないことを考えると、今日のうちに山の途中まで進んでおいた方が楽だろう、という考えだった。

この選択は正解だった。Villafrancaは規模小さく店もほとんどないけれど、景色がすばらしい美しい町だった。イメージでいうと、ハイジが住んでいそうな夏の緑あふれるアルプスの山だ。リゾート地のようで、カミーノを歩く以外にも、観光客が滞在しているようだった。今日は少し奮発をして、リゾートホテルに併設されているアルベルゲに泊まることにした。入り口はホテルと一緒なのでとても立派な造りだった。受付をすませると奥にある裏口から、裏庭になる巡礼者専用の建物に通された。アルベルゲといっても、建物の造りは立派で、設備も新しく清潔で広々していた。久しぶりにこんな感じのところに泊まった。ホテルと比べると簡素でまるで贅沢といえないけれど、巡礼宿と比べるともうAランクのアルベルゲだ。

シャワーも洗濯用のシンクもとっても綺麗で申し分なし。ただもちろん二段ベッドなのはいつもと変わらないけど。洗濯物は裏庭の大きな物干し場に干すことができた。ここがとっても眺めがよく、心地の良い場所で、芝生に寝転がってのんびりできる場所だった。


近くの商店で飲み物やパンやハムやスナックを買い込んで、裏庭でピクニックをした。こんなすばらしい山あいの景色を見ていると、ここに来て良かったなーと改めて感謝の気持ちがこみあげた。

午後になるとぞくぞくと巡礼者がやってきて、あっという間にベッドはいっぱいになった。みんながシャワーや買い物にでかけると、建物内はとても静かになった。小さなキッチンがあったので、お湯を沸かし、持っていたハーブティーを入れてみた。小さなキッチンの、小さなテーブルで一息をついて、なんだか脱力感で心地よかった。少し急ぎすぎたかもしれない。距離をかせぐことや、ほかの巡礼者との競争みたいになっていた自分を反省した。自分のペースでいいんだ、と改めて自分と向き合って話あった。ほっとしたと同時に、さらに心が脱力していく感覚があった。カミーノにきてよかった。

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