スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【13日目】スペイン巡礼 〜Castrojeriz

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/16

スペイン巡礼13日目

 
朝起きて支度をして、二階から降りていくと、リビングには朝食が用意されていた。トーストにクッキーにフルーツ。ポットに入った温かいコーヒーと紅茶まで準備されていた。オスピタリオ(管理人)が用意してくれていたようだった。とても有り難い。寄付BOXに小銭を入れて、宿を出た。
 
今朝も空気が乾いた朝だった。暗くて遠くまでよく見えないけれど、川や森が近くないことが肌感でわかる。昨日の続きの、道路沿いをいく。20分も歩くと、次の村Rabeについた。ここもすごく素敵な雰囲気の村だった。村の真ん中に広場があり、噴水もあった。道は綺麗な石畳で、物語に出てきそうだ。いつものごとく、もう少し我慢して歩けばよかった・・と後悔。
 
そしてこの日、ついにMESETA(メセタ=何もない大地)と呼ばれる、地域に突入した。San jean pied de portを出発してから12日間、地形の起伏も激しかったが、緑が多く日々景色が変わり、見るものすべてが初めてで楽しい道を歩いてきた。だが、これからの5日間は、そうではない道が始まる。
 
巡礼路を歩いた人によると、このメセタ地域は、とにかく「何もない」そうだ。永遠かのように乾いた平坦な道が続く、そんな道。巡礼者によっては、この道をバスでスキップする人もいるようだが、真面目で欲張りな私にはそんなことはできない。この800kmをすべて歩いて、楽しみつくしたい。そんな気持ちだった。
 
目の前には、地平線まで、そしておそらくその地平線の先もずっと、麦畑が広がっていた。そしてその真ん中を突っ切るように一本道が続いている。遠くに白い風力発電のプロペラがいくつも立っている。歩いているうちにそれがどんどんと近づき、その大きさに驚き、下からプロペラを見上げ、そしてその横を通り過ぎ、どんどんと遠くになり、小さく見えなくなっていく。だけど前を向き先を見つめると、また新しいプロペラが地平線の先に見えてきて、どんどん近づいてくる。その繰り返し。 
 
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通りすぎたプロペラはいくつになるんだろう。振り返ると下から見上げてその大きさに圧倒されたプロペラが、もう地平線に隠れて見えなくなろうとしている。それにしても、どこまでいったら終わりが見えるのだろうか。
 
ドラえもんの「魔界大冒険」に出てくる、魔界の森に似ているな。どこまでいっても同じ景色に見えて、進んでいるようで、ぐるぐると同じところを回っていた。そんな気分。
 
途中、Hornillosという何も特徴のない、店も何にもない村を通り過ぎると、また同じような景色のっだだっぴろい麦畑に突入した。もうかれこれ15km以上はこのような同じ道を歩いていた。
 
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どこかのだれかがブログで書いていた、素敵な村が次の目的地。それを目指して、無心で歩いた。そしてついに、このだだっ広い大地に終わりが見え、まるでオアシスのような可愛らしい村が現れた。Hontanasだ。
 
村の入り口に雰囲気のよいカフェがあった。庭には芝生があり、テラスで巡礼者たちがコーヒーを飲んでいた。私もサンドイッチとカフェコンレチェをオーダー。テラスで思わず靴を脱ぎ、休憩。本当に心地の良い村。このカフェはAlbergueも併設しているらしく、できることならここに泊まりたい。そんな雰囲気。
 
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だがしかし、今日はとっても大切なミッションがあるため、もう少し頑張らなくては。思い腰をあげ、村を通過し巡礼路を進んだ。
 
だだっ広い大地を抜けると、畑の中のあぜ道をゆくようなルートだった。山間の民家の前に小さな菜園があり、その中を突っ切るイメージ。のんびりとした風景が続く。そのうちにまた車の通る道路脇の道を歩き、時々遺跡のような壊れかけた古い石造りの建物の横を通った。
 
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ジリジリと照りつける太陽を避けるように、木陰と木陰の間を走ったりして、少しでも暑さをしのごうとした。空は真っ青で、スペインらしい気候の中で、スペインの田舎を歩くという理想の光景の中に自分がいる。幸せだ。
 
そして、やっとの想いで、今日の目的地Castrojerizについた。これはある意味ミッションだった。日本にいるときに友達なった女性Aさんの友達のスペイン人( 日本在住)Bさんの、そのまた友達Cさんが経営している宿に泊まりに行くということだった。ちなみに、わたしはAさん以外は会ったことがない。こんな状況の中でだが、せっかくなので訪ねてみることにした。Cさんの経営するAlbergueは、ちゃんとマップにも載っていた。と、まずは村の入り口のカフェをビールを一杯飲んでから。(恒例)
 
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CさんのAlbergueは村のはずれの方にあった。結構入り組んだ場所にあり、わかりずらかったが、うろうろしていると発見した。受付にいたのが、Cさんなのか尋ねると、なんとCさんだった!ややこしいので、BさんのFacebookを見せながら事情を説明。するととても驚いて喜んでくれ、大歓迎してくれた。
 
このAlbergueの最高なところは、大部屋にして初めてのシングルベットだったこと!もう痛い足を引きずって二段ベッドの上に上がる必要はなし、下の人のことを気にしないでよいのは最高だった。キッチンもダイニングも広くて素敵だった。近くにレストランはなさそうだったので、夜は久しぶりに宿でいただくことにした。
 
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午後、CさんにAlbergueの経営について少し話を聞くことができた。このAlbergueのビジネスは3年ほど前に始めたそうで、案外うまくいっているそうだ。オープンしているのは、4月〜10月までで、ピーク時の6月〜9月は休みが1日もなく、満室でフル回転の日が続くそう。11月以降の冬季休業ときは、世界旅行をしているとのこと。日本にもBさんに会いに何度もきたことがあるとのこと。なんだか、理想的な生活だな。寄付で成り立っているようなイメージもあるAlbergueも一つのビジネスとして、成り立つんだと発見。
 
夜、宿に泊まるみんなで食卓を囲んだ。メニューはCさんの手作りパエージャ!本格的に鉄板で作ってくれるのだ。ワインでみんなで乾杯をしながら雑談。なんと日本人の男性もいた!道中で日本人にあったのは、これが初めてで久しぶりに日本語で会話をしてみる。なんと、お年は75歳で、一人でカミーノに来たとのこと。カミーノのトレーニングのために、四国のお遍路さんも二回歩いたという、とってもバイタリティのある、エネルギッシュなおじいちゃんでした。元気をもらえた!
 
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食事のあと、ダイニングに残っていた巡礼者数人と、Cさんと、Cさんのお友達と、ワインで乾杯した。ウクレレを持ちあるている女性が弾き語りをはじめ、みんなで歌った。Cさんは自分のバンド活動もしているらしく、ギターも弾くそうで、ウクレレで一曲弾いてくれた。なんだかいつもと違って楽しい夜。
 
いつもより夜更かししたけれど、明日も早いので23時頃にはみんなでおやすみを言って、それぞれの部屋に帰っていった。すごく素敵な思い出がまた一つ増えた。

 

 

lifeiseasy.hatenadiary.com

 

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