スペイン巡礼 フランス人の道 2017

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【14日目】スペイン巡礼 〜Fromista

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/17

スペイン巡礼14日目

 
お世話になったCさんの宿を後にし、今日も朝4時半には宿を出た。真っ暗な中、ヘッドライトを頼りに、野っ原の中の一本道を進む。遠くにテーブルマウンテンのような、岩の壁がそびえ立っていた。Mostelaresという山だ。あそこを越えたら何がみえるのかな?それが見たくてワクワクする。空気が涼しく、足取りも軽い。
 
上り坂に差し掛かると、草むらで何か動物が動いた!一瞬足が止まり、じっとしていると、また草むらで何かが動いた。ゆっくりと足を進めると、野ウサギが急に飛び出してきた。こちらもびっくりしたが、ヘッドライトに照らされた向こうはもっとびっくりしただろう。野ウサギは一匹だけではなく、次々に何匹も草むらから現れた。私を先導してくれるように、道を上へ上へとぴょんぴょんかけていく。わたしもそれを追うようにずんずん進む。
 
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真っ黒だった空が、うっすらと紺色に変わり、そして地平線と空の境がだんだんと水色に変わってくる。一歩一歩進むごとに、ゆっくりと、確実に空の色が変わってく。まだ月が白くポツリと光っていた。
 
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坂を少し登り、振り返っては、空の変わるのを眺め、そんなふうにしてテーブルマウンテンを登っていった。坂道は岩の壁をぐるりと沿うように続いていて、登るたびに日の出が岩で見えなくなりそうになる。朝日が登るその瞬間までに、頂上にたどり着きたい。そんな思い出足取りは急いだ。
 
そしてちょうど頂上につくかつかないかくらいに、あたりが一瞬にしてピンク色に染まった。世界がこのやわらかで、あたたかで、幸せなピンク色につつまれた。すばらしく美しかった。
 
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夜が完全にあけて、世界が目を覚ました。朝日とは反対の方向を振り向くと、地平線まで果てしない広野が続いていた。だーれもいない大地に、わたしがたったひとり。世界はわたしのもの。
 
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そこからはまたひたすらに一本道を進んだ。景色が変わらず、目印もないので、どこまで進んだのか、自分がどこにいるのかがわからない。10kmほど歩くと、やっと広野を抜けた。
 
途中、Boadollaという小さな村に着いた。が、ここが今まで経験したことがないほどに、雰囲気の悪い村だった。家々はボロボロで、通りには誰もいない。だが、洗濯物が干してあったりと、人が暮らしている雰囲気があった。カフェもあったが、パス。こんなところで朝食は取りたくない。
 
 村のはずれにさしかかったころ、古い牧場があった。馬糞の臭いがきつく、簡易的な柵に囲まれた広場には荒々しく暴れる馬が二頭いた。さっさとこの場を離れようと足早に通り過ぎようとしたところ、なんとその馬のうちの一頭が暴れて柵を越えて道路に飛び出してきた。近くにいた巡礼者二人も驚いて、一緒に逃げた。が、馬の足にかなうはずがない、すぐに追いつかれた。近くで見ると馬は見上げるほどに大きく、こんなものに一 蹴りされたらおそらく大怪我だ。緊張しながらそっとあとづさりすると、馬も落ち着き、なにもしないで通りすぎていった。本当に怖かった。なんて村だ。 
 
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村を抜けると、日差しが厳しくなったが、日影がまったくない道に入った。街路樹もあったが、葉が少なく、まったく木陰にならない。
 
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そのうちに農業用の水路沿いの道に出た。水がたっぷりと流れる水路は果てしなく続いていて、木陰はやっぱりなかった。水路の向こうには、機械で綺麗に耕された農地が広がっていた。汗が滝のように流れ、強烈な日差しに肌を刺され続けている。つらい。
 
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こんなときだが、日本にいる祖母の誕生日が近いとのことで、自撮りでバースデーメッセージ動画を撮影した。最高に厳しい環境の中で、最高の笑顔で、スペインでの生活を伝えたつもりだ。喜んでもらえただろうか。
 
どれくらいあるいただろうか。ついに本日も目的地、Fromistaの村についた。水路をにかかる小さな橋を渡り、最後の力を振り絞って進む。村にたどり着いたはよいものの、Albergueは13時にオープンするとのことで門の前にバックパックを置いて、村を散策してみる。たまたまあったイギリス人の男性と一軒のバーに入り、今日は珍しくカクテルを飲んだ。喉がカラカラだったのと、汗で塩分が体からなくなっていたので、さっぱりとした甘い飲み物が沁みた。
 
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彼も例の怪しい村でカフェに入り、散々な思いをしたようだ。店員は愛想が悪く、コーヒーとトーストで8ユーロも取られたそうだ。スペインでコーヒーが8ユーロなんて、法外な価格だ。やっぱり、自分の直感を信じたほうがよいのだ。ちょっとでも居心地が悪かったら、すぐに立ち去ったほうがよい。彼は陽気で楽しい人だった。イギリスで英語の教師をしていたが、随分前に引退して、巡礼は二回目だそう。
 
彼と一緒に宿の受付を一番にした。宿は大型だったが、部屋が細かく分かれていて、キッチンやダイニングルームも広かった。近くの商店で缶詰やインスタントパエリヤを買って食べた。いつもと変わらない午後が過ぎていった。
 
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