スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【3日目】スペイン巡礼 〜Pumplona

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/06

スペイン巡礼3日目

 

 

朝4時に起床。
起きた、というか眠れなくなってしまったため、大部屋で周囲を起こさないように、そーっと支度をしながら、宿を出た。

 

3日目にして、他の人よりも早く進みたい、出しぬきたい、という欲張りに似た感情が湧いていた。わたしの悪い癖。

 

そんな卑しい感情を抱いたからか、3日目にして2枚しかないスポーツブラのうち1枚を無くし(物干し場から取り込み忘れたか、、、)、さらに寝袋のケースを失くした。代償はこのあと大きかった…。

 

そんなことはこの時つゆ知らず、真っ暗闇の中の森の中を歩き始めた。本当に真っ暗だった。電灯もなければ、月明かりもなく、持参したヘッドライトだけだった。足元が見えないため、トレッキングポールで道を探りつつ進んだ。両手がふさがっているときは、頭につけられるタイプのライトが役立つ。

 

今思えば、真っ暗闇の森の中を歩くなんて、普段なら怖くてできないけど、これもカミーノマジック。わたしは無敵だった。時々、動物の目が暗闇に光ったときは、息が止まるほど怖かった。

 

Zubiriからの森の中の道は、道なき道に近い、獣道だった。草木が生い茂り、顔や身体に枝やツルの先があたるほど鬱蒼としていた。そのうちに開けて、突然山の中に工業地帯が現れた。煙突や複雑に組み込んだパイプが暗闇でも光って見えた。下からは煙も上がっている。24時間稼働なのか、遠くの道路に大きなトラックが走っているのも見えた。道は工業地帯の敷地内に続き、砂利道だったり、半分舗装された階段があったりと、巡礼路の一部とは思えなかったが、確かにホタテのマークは数メートルごとに設置されていた。

 

工業地帯を抜けるとまた森の中に戻り、薔薇のトンネルを抜け、川沿いを歩き、麦畑の中をズンズン進む。目印はたったひとつ、ホタテマークだけ。

 

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 この辺りは常に景色が移り変わり、飽きのこない道。朝日に照らされる麦が、風にゆられる様は本当に美しかった。日本から遠く離れた、ヨーロッパに来ているんだなと実感できた。

 

小さな村をいくつも抜けたが、どの村の家にもきれいに花が飾ってあって絵本のようにきれいだった。村には必ず小さな教会があった。

 

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10kmほど歩き、身体もくたくたに疲れた頃、トドメの丘が現れた。どうやら迂回路はなさそう。公園で休んで、また重い重いバックパックを担ぐと、馬に乗った集団がやってきて、その丘をパカパカと悠々と登って行った。うらやましい…。わたしはその馬たちが歩きながら落として行った糞だらけの道を歩かなければならないのだ。

 

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丘を越えると、国道沿いの道に出た。車がびゅんびゅん通り、その向かう先にはパンプローナの街が見えた。まだ距離がありそうだ…。脚を引きずりながら、コンクリートの乾いた道路をくだり、川沿いの舗装された道にでた。立派な石造りの橋があり、観光客向けと思われるカフェもいくつかあった。だんだんと都会に近づいてきた感じがする。川沿いには学校もあり、学校の敷地内に巡礼路が続いていた。途中ホタテマークを見失いつつ、歩いている人に聞いてパンプローナの中心街を目指す。

 

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パンプローナの中心街に近づくと、いよいよビルやお店が増えて通りも賑やかになってきた。バスの乗り換えで数日前に一晩だけ滞在したけど、3日かけてやっと戻って来た。目指すは城壁。城壁の中に旧市街があって、そこの修道院のアルベルゲが今夜の宿。残りの力を振り絞って、街中の通りを歩く。街に入ると途端にホタテマークを見失いがちになるので、黄色い矢印を必死に探しながら歩く。電柱やらベンチやらゴミ箱やら、黄色い矢印は想像もつかないようなところにある。そして、やっと城壁を発見!





城壁の門をくぐると、そこは旧市街。古くて
カラフルな建物がならぶ、歩いているだけで楽しい街!パンプローナはサンフェルミンという牛追い祭で有名な街だけに、一ヶ月後にせまったお祭りのチラシが町中に貼ってあってすでに盛り上がっている。牛追い祭のグッズが売られている土産物屋もたくさん。









この細い通りを牛と人が駆けずり回るのかと思うと、興奮する!ほんとに建物がビッチリと並んで立っていて、建物と建物の間に細い通りが無いのが特徴的。ちなみにこんなに人がいないのは、14時から17時までのシエスタタイムだったから。ほんとにすべてのお店が閉まってます!そんなこんなで、とりあえず目的の宿を探していると、同じ宿を探す巡礼者たちに遭遇し、ついていくと到着。なんら変哲も無い建物の見た目なので、自分一人だったら見つけられなかったでしょう…。今日の宿は、わたしが想像する通りの収容所そのもの。200名近く収容できる大型のアルベルゲで、ベッドも古くて、中も薄暗く、シャワーもトイレも男女兼用でまるでプールのシャワーのよう。よし、これも経験。何事も試してみよう、そんな気持ちでステイしてみた。







今思えば、こんな経験滅多にできないし、ステイしてよかったと思う。大型のアルベルゲは学校の修学旅行生がいる率が高く、ちょっと騒々しいけど、たまにはいいかも。ここのアルベルゲのよいところはキッチンがとてもきれいだったこと。街にステイするときは、みんな外でご飯を食べるから、キッチンが空いていて使いやすい。このときもキッチンを使っていたのは、わたしと台湾人のカップルだけだった。







それにしてもパンプローナは6月だというのに本当に寒くて、シャワーの後も震えながら着れるものを全部着て、しばらくベッドの寝袋にくるまっていた。シエスタが終わる頃、再び街に繰り出してみた。あんなに静かだった街に、人が溢れていて、バーやショップが賑わっていて、ほんとどこにみんな隠れていたの?という感じ。3日ぶりの都会が楽しい。パンプローナの街は面白くて、まるでジュエリーがならぶようなショウウィンドウに生鮭が並んでいたりしてびっくり。他にも洋服屋さんやかばん屋さんやスポーツ用品店、薬局、スーパーなどなどなんでも揃う大都会。














本日の宿: Jesus y Maria €7
ポイント: 100人以上の収容所スタイル、男女共同バスルーム、キッチンあり、洗濯ルームあり

 

 

lifeiseasy.hatenadiary.com

 

 

 

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