スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【11日目】スペイン巡礼 〜Obanaja

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/14

スペイン巡礼11日目

 
今朝は出発と同時に、ものすごく急な坂道を登ることになった。つま先に体重をかけていないと、荷物の重みで後ろにひっくり返ってしまいそうなほどの傾斜。朝からきっつい。 いつも通り真っ暗な中出発したので、250ルーメンのヘッドライトが役に立った。周りの巡礼者も、私のライトを頼りにしていたほど。
 
やっと山を登りきると、今度はものすごい急な下りの坂道が現れた。「えー!今、登ってきたのに・・・」。今後はカカトに体重をかけないと前のめりに転がり落ちてしまいそうなほどな下り坂を慎重に下っていく。下り切る前に、その先に目を疑うほどの光景を目にしてしまった。
 
山を下った先は、株価だったら嬉しさで笑みがこぼれるほどV字回復!せっかく下ったのに、また今度は急な上り坂。登ったり下がったり・・・どんだけ巡礼者に負担かけさせんねん!
 
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そんなこんなで本日の難所を越えたあとは、静かな森が何キロも続いた。森の中に、補整されていない4斜線くらいはありそうな広い道が続いている。時々、ネイティブインディアンをモチーフにしたようなオブジェが道端にあった。あと、巡礼者が作ったであろう、道端の石で矢印がところどころにあった。
 
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森を抜けると、遠くに小さな村が見えた。ここからが意外と距離があるんだよね。今までの経験から、距離が予測できるようになっていた。
 
 
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たどり着いたAgesという村は、私の中で大好きな村のひとつになった。小さな村だけれど、家々が可愛くて、通りもきれいで雰囲気がよかった。ここに泊まるのもいいなぁ。かわいらしいカフェをみつけたので、朝食に入ってみた。瓶詰めのジャムやパンなどが売っていて、内装もとっても可愛い。まるでおとぎ話にでてくるみたいな、小さな商店。奥のカウンターでカフェコンレチェを頼んで、表のテラスで飲んだ。老夫婦で経営しているらしく、奥さんはとても感じのよい人だった。素敵な村に、素敵なカフェ。巡礼中はこういった雰囲気のよい村を見つけるのが、楽しい。全ての村に個性があって、きっと巡礼者それぞれに心地よさの違いがあるんだろうなぁ。
 
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村を抜けると、今後は国道を沿いを歩く道に出た。田舎道なので、車はあんまり通らないけど、コンクリートの道を歩くのは土の道を歩くよりも照り返しが強い気がする。途中、Atapuercaという原人の住居などの遺跡が発掘された町を通った。観光地として遺跡もみれるというが、暑さでそれどころではない。パス。
 
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遺跡の町を抜けると、小高い丘がそびえていた。渇いた土に、潤いのない草木が生えている。坂道には岩もごろごろして、登りにくい。ぜぇぜぇ息を切らしながらのぼっていくと、隣を体力のある太った白人の女性が私を追い越していく。悔しい。が、追い越せない。自分のペースで登っていく。
 
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登り切ると少し平坦な場所があり、盛られた土に大きな十字架が立っていた。周りには巡礼者たちが置いていった小石が散乱していた。先をいった白人の女性が熱心にお祈りしている。それを横目に先をいくと、今度は坂を下った先にだだっ広い大地が地平線まで続いていた。地平線のあたりに、大きな街が見えた。あれが、巡礼中の二つ目の大きな街Burgosだ。気が遠くなりそうなほど距離がまだまだあった。
 
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かなり日が高くなり、雲ひとつない青空の真ん中にギラギラと輝く太陽が元気に活動中だ。あたりは木陰もない、草原地帯の道が果てしなく続いていた。休むところもないので、歩くしかない。
 
つらい、今日はとくにつらい。残りの水も少なく、水分補給できる水道も、店もない。熱中症になりそうだ。意識が朦朧とする中、汗を垂れ流しながら進む。たくさんの人に追い越され、Buen camio!と声をかけてくれるが、それに返事をする気力もない。今日はだめだ・・。
 
 Burugosを目指すことを諦めて、途中にあったObanejaという村にたった一軒あるバーの、二階にあるAlberugeに泊まることにした。荷物を置き、とりあえず一階のバーに駆け下りてビールを一杯飲む。蘇生した。生き返る〜!表のテラスには観光客の団体がBBQを楽しんでいるようだった。店の中にはカウンターに男が一人ビールを飲んでいるだけで、他には私以外誰もいなかった。二杯目のビールを飲み始めて、やっと意識が戻ってきた。登ったり下がったりした今日1日の工程を改めて振り返ってみる。Burgosにも行けなかったけど、よくがんばった自分を褒めてあげよう。
 
 
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バー以外に何もない村だったので人気がないのか、その夜、その宿に泊まったのは、私と、もう一人女性だけだった。バーは夜に閉まると、亭主は家に帰るらしく、建物には私とその女性一人だけ。なんだか少し怖かったが、疲れたので気絶するように眠った。