スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【12日目】スペイン巡礼〜Tarajados

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/15

スペイン巡礼12日目

 
2017年6月15日
Obanaja-Tarajados
 
今日はBurgosまでのたった10kmなので、すこし寝坊して出発するつもりだった。が、いつもの早起きが身体にしみついて早く起きてしまった。もう一人泊まっていた女性は、もう出発していた。もう一眠りしようとウトウトしていると、急に下の扉をドンドン叩く音がした。飛び起きたものの、ドンドン叩く音は鳴り止まない。Albergueのオーナーは別の住まいがあるのか、この建物内にはいないようだ。ということは、私がたった一人。いつまでたっても、叩く音は鳴り止まない。恐る恐る起きて、下まで降りてみる。ドアの鍵をそっと開けてみると、同じ部屋に泊まっていた女性だった。携帯を充電したまま起き忘れたとのこと。そりゃ大変。「ムーチョグラシアス!」と何度も言いながら出て行った。
 
Albergueの管理人は夜は自分の家に帰るので、建物は夜間は自動ロックがかかり、外へ出て行くことはできるが、一回でたら入れなくなることが多い。中には、鍵も外からかけられて、朝も管理人がくるまで鍵が開かないところもいくつかあった。何か室内で事件でもあれば、巡礼者は中に閉じ込められたままだ。そう考えるととても怖い。
 
寝坊するつもりが、ある意味事件で起こされてしまったので、しぶしぶ支度を始めて出発した。朝も空気は乾いていて、今日も暑くなりそうな予感がした。
 
Burgosまでは、大きな道路沿いを歩いていく。時々トラックなども通り、結構大きな道路だ。最初は草原の中の大通りを歩いていたが、そのうちに建物が増えてき大通りに入った。工場や、大型の車屋や家具屋、電気屋、飲食店もある。ブリジストンの大きな工場もあった。車も多く通り、高速道路の上も横切った。ここまで街中になると、バックパックを背負った巡礼者は明らかに浮いていた。
 
そしてあっという間にBurgosの街についた。ホタテのマークを見失わないように、街中を進んだ。目的は、カテドラルと言われる大聖堂。旧市街に入ると、古くて歴史のある建物が並んで、巡礼者の私でも歩いていて違和感がなくなった。お店もいっぱいあって、賑やかだ。建物が入り組んでいても、カテドラルの特徴的な三角の屋根が見えた。お腹も空いていたけれど、まずはカテドラルに行ってみよう。
 
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表に回り、写真を撮ったら見学に。巡礼者手帳を見せると、拝観料が割引になる。バックパックをロッカーにあずけて、いざカテドラル内に。大きな屋根の大聖堂の中は、たくさんの祭壇があり、その装飾の煌びやかさと、細かさとら美しさに目を奪われた。ミサの時に座る椅子に座り、みんな上を眺めている。素敵な光景。どれを見ても彫刻がとても細かくて見入ってしまう。いろんなキリストの物語が描かれていて、どれも引き込まれてしまう。世の中の美しいものを、この聖堂内で一気に見れてしまったみたい。
 
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カテドラルを出ると、なんだか現実に引き戻されてしまったかのような感覚。午前11時には観光し終わってしまって、なんだか時間を持て余してしまった。よし、次に進もう。そう決めたらスーパーでお水を買うと、早速歩き始めた。
 
街を外れると、すぐに田舎の道に出た。高速道路と高速道路の間の、整備された草むらの中を進む。厳しい日差しが、私の体力をジリジリと奪っていった。
 
身体からダラダラと流れる汗と、身体に合わないバックパックのせいですごくイライラしていた。 忘れていたけれど、この時には45リットルのバックパックが自分の身体に合わなさすぎて嫌気がさしていた。なんとかして、バックパックを買い換えたい。そのことばかり考えていた。
 
性格の悪いイギリス人が、これまた悪口と愚痴を叫びながら、追い越して行った。世の中にはいろんな人間がいるもんだ。改めて思う。
 
もう無理だ。干からびながらたどり着いた小さな村のAlbergueにチェックインした。女性が一人で管理している、小さな宿だった。到着するなり、フルーツジュースを出してくれた。二階の部屋を案内してくれてたが、部屋は蒸し暑く、冷房がないため、窓を開けていた。荷物を置いて、洗濯をして、道を渡った先にある小さなバーに昼食を食べにいった。ビールとハンバーガーを頼む。目玉焼きとベーコンをサンドしただけのハンバーガーは、4.5ユーロだったけど、なんだかとっても美味しかった。店内では、地元の人間だと思われる男達が新聞を読みながら、世間話をしていた。時々大声で笑い、店の亭主の女と喋っていた。のんびりとした暑い午後がすぎていく。
 
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近くの小さな商店で缶詰とパンを買って帰った。宿のポーチに小さなベンチがあり、夕方そこに座って涼んでいると、一人のアジア人女性の巡礼者がやってきた。彼女は身体中虫さされて赤くただれていた。理由をきくと、寝袋についたダニ”Bed bug”が原因だそうだ。宿の管理人の女性が寝袋を調べて、寝袋を洗濯して乾かすようにアドバイスしている。巡礼中の宿のベッドには、布団はない。マットレスがビニールで覆われているところもあれば、布のままのところもある。明らかにダニがいるんだろうな、と思いつつ、寝袋からあまりでないように気をつけて寝ていたのでダニの被害にはそんなにあっていない。だが、これだけ人が毎日出入りする宿で寝ているんだもの、ダニの被害に合わない方がおかしい。と、自分がラッキーだったことを棚に上げて、アジア人がだるそうに寝袋を洗う姿をぼんやりと見ていた。

 

 

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