スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【20日目】スペイン巡礼 〜Saint Martin

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/23

スペイン巡礼20日目

 
パラドールの素晴らしい朝食ビュッフェをいただいたあと、A子さんにお別れと感謝を伝えてLeonの街を出発した。パラドールのすぐ横の川を渡ると、巡礼路のスタートだ。
 
ちなみにパラドールの朝食は、日本のハイクラスホテル並みにレベルが高い。前菜、メイン、パン、デザートまでものすごいたくさんの種類があるので、ついつい、欲張ってお皿にいっぱい盛ってしまう。給仕のスタッフの方も、テーブルまでコーヒーを入れに来てくれたりと、サービスは抜群。なので朝食だけで20ユーロは納得の価格。朝食なしの宿泊プランを選んでも、初めてパラドールに宿泊する人はパラドールのサイトの会員登録をすると、朝食が1回無料でついてくる。そんなお得情報を知っているのも、さすがA子さんだ。
 
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美味しい朝食をゆったりといただいたので、今日の出発は8時を過ぎていた。今までで一番遅くスタートしたかも。Leonを過ぎて、だんだんとサンティアゴへのゴールが見えてきた。そんなに急がなくても大丈夫、という余裕がでてきたのかも。
 
しばらくは道路沿いの歩道をゆく。歩道はせまく、時々車道を歩いたりした。そのうちに車道をはずれ、巡礼者用に整備された歩道をゆく。今日も道が二手に分かれるが、最短距離を選んだ。巡礼路沿いには、時々韓国語で書かれた紙が置かれている。ホタテマークがなく、迷いそうな時には必ず置いてあるので道に迷わなくてとても助かった。クリスチャンの多い韓国の巡礼者の優しさに感謝した。
 
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途中、とても寂れたサービスエリアのようなところを通った。長距離トラックが多数駐車されていて、おそらく運転手が利用するであろう簡易的なレストランがいくつかあった。陽も高くなり休みたかったが、パスした。こういった巡礼中に出会った退廃的な風景が記憶に残っていることがたくさんあった。写真に撮るほどの景色でもないので、もちろんないのだが、ずっと記憶に残っていたりする。
 
そのうちに農業用の用水路の脇の一本道をひたすらに歩いた。日陰はまったくない。用水路の水は豊かで、流れもはやい。ここに浮き輪でも浮かべて乗って、流れていきたいと心底思った。一人だと暑さでだれそうなので、ドイツ人とイタリア人のおじさんグループと歩いた。ほとんど英語が喋れないので、お互いに母国語でしゃべっている。おそらく完璧には通じ合っていないが、仲良く4人で歩いているようだ。その姿が微笑ましくて、可笑しい。
 
今夜はSaint Martinという、国道沿いの小さな村に泊まることにした。おじさんたちのグループについて、一番最初に見つけたAlbergueにチェックインすることにした。ここには小さな芝生の庭に大きなビニールプールがあった!人気のAlbergueらしく、私たちが受付するとすぐにComplete(満室)になったよう。ラッキー!
 
洗濯をして、受付にあるバーでビールを飲んでから、プールに入ってみることにした。午後14時、気温は38度!そんな最適の環境で、プールにダイブ!!!つめたーい!プールには葉っぱや虫も浮いていたけど、気にしない。しばらくのんびりと、まるでリゾート気分で水に浮いていた。
 
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そのうちに太ったおじさんが入ってきて、私と同じようにビニールプールの淵に身を任せようとしたところ、「ばっしゃーーーーん」と後ろにひっくりかえって大量の水とともにプールの外に転げ落ちた。テラスや芝生でその光景を見ていた人は、大爆笑。私もプールの中で一瞬なにが起こったかわからなかったけど、吹き出した。芝生に寝袋を干していた人は、寝袋が水浸しになり大迷惑。管理人もやってきて大爆笑し、水の減ったプールに継ぎ足してくれた。
 
夕方、100メートル位先にある小さな商店に食材を買いに出かけた。缶詰やパンを買い、小さなカフェでアイスを買って歩きながら帰っていると、しばらく一緒に歩いていた巡礼者の男性が巡礼路とは反対方向に行くバス停で待っていた。顔が暗いので理由を聞くと、なんとクレデンシャル(巡礼スタンプ帳)をレオンのAlbergueに置いてきてしまったそうだ。この村のAlbergueにチェックインしようとしたところ、失くしたことに気がついたらしい。災難すぎる。クレデンシャルがないと、Albergueに泊まれないのはもちろん、今まで頑張って歩いてきた証拠が全部なくなってしまう。もちろん、サンティアゴについても、巡礼証明書は発行してもらえない。わたしたちにとっては、パスポートと同じくらい大事なものなのだ。彼はとてもショックを受けていて、なんの慰めの言葉もかけようがなかった。「必ず見つかるよ」と言って、彼と別れた。
 
車通りの多い国道沿いのAlberugueは、夜中までトラックの通り過ぎる乾いた音が絶えなかった。きっと今頃外は満天の星空なんだろうなと想像しながら眠った。
 

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