スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【28日目】スペイン巡礼 〜Portomarin

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/07/01

スペイン巡礼28日目

 
朝もやの中、出発する。すっきりとした天気ではないが、残り100kmということもあってか足取りは軽い。しばらくは牧場のような草原を歩き、また森の中に入る。牛が巡礼路をのっそりのっそりと歩いていたりして、刺激しないように歩く。もちろん牛の歩いたあとは、まだ湯気が出ていそうなほやほやのうんちが落ちていたりする。どおりで臭うわけだ。出発した頃の、緑の多かった巡礼路を思い出す。もう一ヶ月近く前のことなんだ。
 
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 サリアを越してからは、それほど山深いところはなく、民家を身近に感じながら歩くことになる。道で出会う巡礼者たちも増えてきて、サリアからスタートした人たちもいるのか、みんな元気がある。
 
途中のFerreriosという村のAlbergue兼カフェで朝食をいただく。亭主もとても親切で、雰囲気のよいカフェだった。内装も可愛くて、ここに泊まりたいくらい。
 
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周りを見渡せば、今までに見覚えのある巡礼者ばかりだった。そしてゴールを数日後に控えて、ほんとにみんなテンションが高い。言葉が通じない同士だが、なんだかざわざわと言い出し、「どこだ」「そこだ」「あそこだ」と変なテンションで何かを探している。そしてついに、「あそこだーー!!!」と見つけたのが、サンティアゴまで100kmと記された石碑だった。これまでおそらく何千とみてきたホタテマークの石碑だったが、これは特別だ。みんなこぞって写真を撮っている。いったいぜんたいどうやって距離を正確に測っているのか不明だが、やっぱりなんだか嬉しい。
 
もう少し先に数十メートル進むと、99.592kmという絶妙な数字のものもあったので、なんらかの基準で測っているようだ。こうなるとなんだか数字をきざむのが楽しくなってくる。100kmをこえてから、数字の刻みが細かくなり、数百メートルでも進んだ感覚が実感できるようになってきた。
 
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引き続き森の中を歩いていると、納屋のような壊れかけの建物の外に色とりどりのホタテが飾られたスーベニアショップがあった。世界各国の国旗や、きれいな模様が描かれている。こういったものも、お土産に買っていったら喜ぶだろうなーと巡礼中はほとんどなかった購買欲が湧いてきた。と同時に、もうすぐ帰るんだなという実感もわいてきた。
 
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森を抜けると、車道に出た。遠くに湖が見える。今夜の目的地、Portomarineの町だ。
 
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巡礼を終えたひとたちが皆、Portomarinの町の美しさについて思い出を語る。巡礼中に出会った日本人のA子さんも、すばらしい町だと絶賛していたので楽しみにしていた。湖のほとりの、まるで絵本に出てくるような町、というイメージが膨らんでいた。そして、イメージが現実になった。
 
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湖にかかる大きな橋が、対岸のPortomarinの町につながっている。久しぶりに青い空に、太陽の光を見た。湖面が光でキラキラとかが来て、周りの森の緑がよりいっそうきれいに見えた。本当にすばらしい景色。
 
対岸に渡ると、突然石の階段が現れる。町に直接つながる、巡礼者用のゲートのようだ。疲れた足に最後のトドメだが、もう町はすぐそこだ。登り切ると、さらに美しい景色に出会うことができた。
 
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Portomarinの町は、高台の山の斜面に築かれた町で、町中も坂が多いのが特徴だ。その分、高台の宿を目指せば眺めもいい。通りには白壁の美しい建物が並び、空の青とのコントラストが本当に一枚の絵のような町並みだった。お洒落なレストランでは美味しい魚料理も楽しめるようだ。通りを抜け、大きな広場に出た。広場の真ん中には、教会がある。巡礼者の壁画もあり、町中が巡礼者に対して優しい印象だ。
 
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たまたま顔見知りの巡礼者にあったので、一緒にAlbergueを探すことにした。彼はスマホでAlbergueの口コミサイトを閲覧し、オスピタリオ(管理人)の女性がとても親切だということで坂の上の方の通りにあった小さなAlbergueを選んだ。小さなキッチンとダイニングがあるだけのなんの変哲もない小さな宿だが、この町の宿は常に学生旅行や団体グループの”巡礼旅行者”が多く、大きめの宿を選ぶととても騒々しい夜を過ごすことになると教えてもらった。確かに。ここは小さめの宿を選んで正解だったかもしれない。
 
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わたしがスーパーに買い出しにいって戻ってくると、同じ宿の巡礼者がなんと表で青空ヘアサロンを開店中だった。バリカンを持ち歩く巡礼者なんて、珍しいのではないか。女性がヘアアイロンを持ち歩くようなものだ。彼はこうやって定期的に頭の毛を刈っているそうだ。でもなぜ、ヒゲはのばすのだろう?
 
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午後は暇だったので、Portomarinの町を散策することにした。こんなに晴れた日は本当にひさしぶり。気持ちよかった。湖のほとりに、大きなプールがあった。湖よりも明るい青が眩しい。小学生くらいの子供たちがたくさん遊んでいた。公共のプールなのだろうか?しばらく芝生でごろんと寝転がって、のんびりお昼寝をする。他の巡礼者も何人かがくつろいでいる。いっぱい太陽の光を浴びて、明日へのエネルギーをチャージした。さぁ、あと数日でサンティアゴだ。1日1日を大切に、歩いていこう。
 
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