スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【29日目】スペイン巡礼 〜Palas De Rei

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/07/02
スペイン巡礼29日目
 
日の出前に起きる。空気やひやっとして、少し乾燥している。よし、雨は降っていないようだ。辺りは薄暗いが、白い外壁の建物が暗い中でもよく見える。美しい夢のような町、Portomarinを出発する。
 
高台にある町から一度崖を下り、湖につながっている川を渡る。だれもいない松林の中はしっとしとしていて、朝を歩くのに気持ちが良い。もうすぐ日の出だが、まだうっすらと霧が残っている。この瞬間が幻想的でまるで夢と現実の境目をふわふわと歩いているよう。少し風が吹くと、白い靄がさっと流れていく。そろそろ夜明けかな。
 
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森を貫く道路に出た。寂れた工場あとのような建物も、静かな朝の散歩コースなら怖くない。ただ、一人旅をしている自分をまじまじと実感させられるのだった。
 
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そして日の出を迎えた。ひさしぶりに見た、本日産まれたての太陽。ギラギラと大地を明るく照らし、燃えている。なんだかとっても嬉しくて、つい手を合わせてしまう。
 
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そしてまた森に入った。大きな木を照らす朝日の木漏れ日が、なんだか神々しく見えてしまう。こうやって山々や木々に神が宿っていると信じて自然を崇める気持ちも、今ならわかる。そこらじゅうに、エネルギーがみなぎっている。
 
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森を抜けると高台に出た。ゆるい登り坂だ。てっぺんまで来て振り返ると、歩いていた森が遠くに見えた。森はまだ雲海の中だ。照りつける太陽に、反射する雲がまるで海のようだった。
 
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ひさしぶりに晴れたのと、気持ちのよい気候がうれしくて、ずっと一緒に歩いてきた相棒の影と記念撮影。思えばこいつとは本当にずっと歩いてきたな。(曇りと雨の日以外は。)
 
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途中の村のカフェを休憩する。巡礼5日目からたまに出会っていたロシアの親子に出会った。刺青がたくさん入ったパンキッシュな夫婦と、小さな男の子の冒険旅ももうすぐ終わりを迎えようとしている。最初のころ、坊やはハンバーガーとポテトしか食べられなくて、両親を悩ませていたな。でもこのカフェでもまたハンバーガーをオーダーしている。そう、人間なんて30日程度じゃちっとも変われない。でも、この30日の冒険が、彼の一生の宝になることは間違いない。
 
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今日はPalas De Reiという町の公営のAlbergueに泊まることにした。少し湿気が多く、簡素な宿だったが、知り合いの巡礼者が受付開始を待っていたので一緒に待つことにした。彼がビールを何本か買ってきて、受付を待っているときに乾杯した。靴まで脱いで、狭い入り口で宴会だ。
 
受付をして所定のベッドで荷物を降ろし着替えていると、なんと部屋履きように使っていたビーチサンダルの鼻緒が切れた!もう何年も日本で使ったもので、今回の巡礼が終わったら捨てて帰ろうとしていたが、あともう少しのところで切れてしまった。部屋履きは巡礼者には必須なので、買うしかない。が、今日が日曜日だということにその時気付いた。スペインの日曜日は、スーパーが閉まっていることが多いのだ。他の巡礼者から情報を得るも、やはりこの町のスーパーもしまっているようだ。仕方なく、シャワーを浴びたあとも、汚れたトレッキングシューズを履いて過ごした。ついてない。
 
食料は持っていたのでキッチンで昼食をとっていると、ひさしぶりに日本人の女性に出会った。そしてこんなにキッチン用具が揃っているのに、自前のアウトドア用鍋とカトラリーセットでインスタントラーメンを食べていた。まさか、このセットを全部持ち歩いて巡礼しているの?かなり小柄な女性だが、明らかに大きすぎる荷物を背負ってここまで歩いてきたようだ。なんでも心配性で、全部必要に思えてしまうようだ。さらに早起きが苦手で、いつも8時くらいに起きて、日中の暑い中ゆっくりゆっくり時間をかけて巡礼をしてきたようだ。まさに、自分のスタイルを貫いている。
 
午後はあまり日当たりのよくない中庭で洗濯をして、かろうじて日が当たっている場所に洗濯物を干した。たまたま、仕事を辞めて世界一周中のイギリス人男性と話した。退職金を使い果すまで、世界を回るそうだ。40代くらいの男性だった。バイタリティがある。さて、私は次は何をしようか。そろそろ、巡礼を終えたあとのことを考え始めていた。人生は自分次第。私のやりようで、どうとでもなるのだ。楽しんで行こう。
 
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