【11日目】スペイン巡礼 〜Obanaja
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/14
スペイン巡礼11日目
【10日目】スペイン巡礼 〜Villafranca
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/13
スペイン巡礼10日目
昨夜泊まったGranonはリオハ州とレオン州の境目の小さな村で、出発するとすぐに州を越えることになる。今日の工程は比較的平坦で、大きな山場もなければ、じっくり見るような建造物もない。そんな行程。
昨日まであんなにカラカラに晴れていたのに、今日は辺りは霧に包まれていた。暗いうちでも、肌にじっとりと空気が触れ、霧が出ているのがわかった。辺りが明るくなってもなかなか霧は晴れず、薄暗い中を進むしかなかった。
ひたすらに歩いていると、霧の中から一面の花畑が現れた。田んぼのように区画整理させていて、花が咲いているところと、咲いていないところがあった。花は白く、ブラックライトで光るように薄暗い景色の中に浮いて見えた。一体何の花なんだろうか。農機具が置いてあったりするから、きっと農作物なのだろう。
霧が晴れると、今度は緑の草原が現れた。地図を見ると、3キロごとくらいに小さな村が点在していた。この中から、今夜の宿を決めよう。一つ目、「うーん、小さい」。二つ目、「うーん、なんか雰囲気が悪い」、三つ目「うーん、もうちょっと先までいけそう」。そんなこんなを言っているうちに、今までで一番距離を歩いていた。
もう一度地図を見直し、山の中腹にあるVillafrancaという町までいくことにした。翌日はちょっとした山を登らなければならないことを考えると、今日のうちに山の途中まで進んでおいた方が楽だろう、という考えだった。
この選択は正解だった。Villafrancaは規模小さく店もほとんどないけれど、景色がすばらしい美しい町だった。イメージでいうと、ハイジが住んでいそうな夏の緑あふれるアルプスの山だ。リゾート地のようで、カミーノを歩く以外にも、観光客が滞在しているようだった。今日は少し奮発をして、リゾートホテルに併設されているアルベルゲに泊まることにした。入り口はホテルと一緒なのでとても立派な造りだった。受付をすませると奥にある裏口から、裏庭になる巡礼者専用の建物に通された。アルベルゲといっても、建物の造りは立派で、設備も新しく清潔で広々していた。久しぶりにこんな感じのところに泊まった。ホテルと比べると簡素でまるで贅沢といえないけれど、巡礼宿と比べるともうAランクのアルベルゲだ。
シャワーも洗濯用のシンクもとっても綺麗で申し分なし。ただもちろん二段ベッドなのはいつもと変わらないけど。洗濯物は裏庭の大きな物干し場に干すことができた。ここがとっても眺めがよく、心地の良い場所で、芝生に寝転がってのんびりできる場所だった。
近くの商店で飲み物やパンやハムやスナックを買い込んで、裏庭でピクニックをした。こんなすばらしい山あいの景色を見ていると、ここに来て良かったなーと改めて感謝の気持ちがこみあげた。
午後になるとぞくぞくと巡礼者がやってきて、あっという間にベッドはいっぱいになった。みんながシャワーや買い物にでかけると、建物内はとても静かになった。小さなキッチンがあったので、お湯を沸かし、持っていたハーブティーを入れてみた。小さなキッチンの、小さなテーブルで一息をついて、なんだか脱力感で心地よかった。少し急ぎすぎたかもしれない。距離をかせぐことや、ほかの巡礼者との競争みたいになっていた自分を反省した。自分のペースでいいんだ、と改めて自分と向き合って話あった。ほっとしたと同時に、さらに心が脱力していく感覚があった。カミーノにきてよかった。
【9日目】スペイン巡礼〜Granon
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/12
スペイン巡礼9日目
【8日目】スペイン巡礼〜Najera
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/11
スペイン巡礼8日目
【7日目】スペイン巡礼〜Logrono
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/10
スペイン巡礼7日目
素敵な丘の村Sunsolをあとにし、今朝も早朝に出発する。Sansolから10分ほど歩くとすぐにTorresという村についた。早朝でまだカフェも空いてないけれど、とてもよさそうな村だった。こちらに泊まってもよかったかも。道中には「あ〜やっぱり次の村の方がよかった〜」ということがよくあった。でもその時は疲れてヘトヘトでもう歩けない!と思って、近くの村にステイしてしまうのだけど、翌日歩き始めるとよさそうな村が見つかることがよくあった。それも言ってたらきりがない。
【6日目】スペイン巡礼〜Sansol
昨日の夕方にも今日の道順を下見したが、どうやらホタテのマークがわかりにくそうだった。街中にいくほど、ホタテのマークが見つけにくくなる。交通標識やお店の看板が多く、気が散るのだ。何人かの人の後について、出発した。この選択は正しかった。何人かの大人がいても迷ってしまうほどわかりにくい。全員が「この人たちについていけば大丈夫」と思っているので、一番に歩く人が間違えれば全員アウトなのだ。間違えそうになっては、マークはどこがと全員で見回し、肩をすくめる。全員でウロウロして、誰かがマークを見つけると大声で叫ぶ。たとえ言葉がわからなくても、「それが見つかった」ということは以心伝心で伝わるのだ。
【5日目】スペイン巡礼 〜Estella
カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/08
スペイン巡礼5日目
今日もみんなよりも少し早く起床し、出発する。昨日の夜、子供たちがボートで遊んでいた石造りの橋を渡り、暗闇の中ホタテマークを頼りに進む。今日は町を出ると途端に山の中の道だった。特に景色がよいわけでもないので、テンションも上がらない。途中、マークを見失い、ウロウロしていると、巡礼者が後ろからやってきて、一緒に探す。そんな風に、どこのだれかもしらない人と協力し合って、道を探すことは何度もあった。
辺りがだんだん明るくなってきた頃、顔を見上げると遠くに見える山の断面に朝日が当たり、反射して神々しく光ってみえた。まるで鏡のように、強く反射していた。そんなありがたい風景を見ていると、目の前に急勾配な坂が現れた。急すぎて、バックパックの重みで後ろに倒れてしまいそうだ。ハァハァしながら必死に登っていく、他の巡礼者がさっさと横を抜かして登っていく。くそーっ早起きして一番に出てきたのに、抜かされたー。巡礼は競争でもなんでもないのに、体力のない自分に嫌気がさす。
山道を終えると、また麦畑に突入した。今日も日差しが強く、そして日陰のない道。朝食を取りたいのに、なかなか町がない。町どころか、村も見当たらない。変わらない景色に飽きてきて、ふてぶてしく歩いていると、ついに町を発見!と思ったら、歩けど歩けどなかなかたどり着かない。蜃気楼かと思ったが、やっと町に入るも、カフェが一軒もない。他の巡礼者たちもウロウロと探しているから、たぶん無いのだろう。
結局この日は何も食べずに6時間歩き続けた。まだか、まだか、と目的地までの距離をいちいち計算して確かめる。今夜は星の降る町、エステージャだ。昔むかし、星が落ちたところを掘ると、マリア像が出てきたという。そんな神秘的な町であるものの、空腹と疲れでロマンのある想像などできない。
森の中の小さな川をわたり、坂を下りやっとの思いで到着。時刻は11時半だった。アルベルゲのオープンは12時半。何人かの巡礼者たちで、オープン待ちをした。やっと中に入れると荷物をおき、アルベルゲの目の前のカフェでビールとハンバーガーを食べる。最高!川が見える素敵なカフェだった。
お腹が落ち着くと、エステージャの町を散策してみた。想像していたよりも大きな町で、バーやレストランやショップが何件もあって賑わっていた。教会の前の広場ではマーケットがやっていて、果物や野菜などの青空市から、洋服などをテントの店先に吊るして激安セールをしている店も何件もあった。
アルベルゲに帰って、洗濯して、素敵なオレンジ色の中庭でくつろいでいると、1時間の間に雲行きが怪しくなり、突然土砂降りになった。あんなに日差しが強くて、青空だったのに。そのうちに雷もなり出し、嵐のようだった。これでは、星降る夜空も拝めなそうだ。案の定、雨は一晩中降り続いたのでした。