スペイン巡礼 フランス人の道 30代ひとり旅

【女性ひとり旅】32日間かけてスペイン巡礼フランス人の道を歩き、マドリッドで「暮らすように旅をする。」を実践。質問あれば、お気軽にどうぞ!

【11日目】スペイン巡礼 〜Obanaja

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/14

スペイン巡礼11日目

 
今朝は出発と同時に、ものすごく急な坂道を登ることになった。つま先に体重をかけていないと、荷物の重みで後ろにひっくり返ってしまいそうなほどの傾斜。朝からきっつい。 いつも通り真っ暗な中出発したので、250ルーメンのヘッドライトが役に立った。周りの巡礼者も、私のライトを頼りにしていたほど。
 
やっと山を登りきると、今度はものすごい急な下りの坂道が現れた。「えー!今、登ってきたのに・・・」。今後はカカトに体重をかけないと前のめりに転がり落ちてしまいそうなほどな下り坂を慎重に下っていく。下り切る前に、その先に目を疑うほどの光景を目にしてしまった。
 
山を下った先は、株価だったら嬉しさで笑みがこぼれるほどV字回復!せっかく下ったのに、また今度は急な上り坂。登ったり下がったり・・・どんだけ巡礼者に負担かけさせんねん!
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206085932j:image
 
そんなこんなで本日の難所を越えたあとは、静かな森が何キロも続いた。森の中に、補整されていない4斜線くらいはありそうな広い道が続いている。時々、ネイティブインディアンをモチーフにしたようなオブジェが道端にあった。あと、巡礼者が作ったであろう、道端の石で矢印がところどころにあった。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090009j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090030j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090055j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090124j:image
 
森を抜けると、遠くに小さな村が見えた。ここからが意外と距離があるんだよね。今までの経験から、距離が予測できるようになっていた。
 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200243j:image
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180206200308j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200443j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200704j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200521j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200545j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200614j:image
 
たどり着いたAgesという村は、私の中で大好きな村のひとつになった。小さな村だけれど、家々が可愛くて、通りもきれいで雰囲気がよかった。ここに泊まるのもいいなぁ。かわいらしいカフェをみつけたので、朝食に入ってみた。瓶詰めのジャムやパンなどが売っていて、内装もとっても可愛い。まるでおとぎ話にでてくるみたいな、小さな商店。奥のカウンターでカフェコンレチェを頼んで、表のテラスで飲んだ。老夫婦で経営しているらしく、奥さんはとても感じのよい人だった。素敵な村に、素敵なカフェ。巡礼中はこういった雰囲気のよい村を見つけるのが、楽しい。全ての村に個性があって、きっと巡礼者それぞれに心地よさの違いがあるんだろうなぁ。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090200j:image
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180206090225j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206090342j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092128j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092316j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092411j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092513j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092546j:image
 
村を抜けると、今後は国道を沿いを歩く道に出た。田舎道なので、車はあんまり通らないけど、コンクリートの道を歩くのは土の道を歩くよりも照り返しが強い気がする。途中、Atapuercaという原人の住居などの遺跡が発掘された町を通った。観光地として遺跡もみれるというが、暑さでそれどころではない。パス。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206092618j:image
 
遺跡の町を抜けると、小高い丘がそびえていた。渇いた土に、潤いのない草木が生えている。坂道には岩もごろごろして、登りにくい。ぜぇぜぇ息を切らしながらのぼっていくと、隣を体力のある太った白人の女性が私を追い越していく。悔しい。が、追い越せない。自分のペースで登っていく。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195521j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195600j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195631j:image
 
登り切ると少し平坦な場所があり、盛られた土に大きな十字架が立っていた。周りには巡礼者たちが置いていった小石が散乱していた。先をいった白人の女性が熱心にお祈りしている。それを横目に先をいくと、今度は坂を下った先にだだっ広い大地が地平線まで続いていた。地平線のあたりに、大きな街が見えた。あれが、巡礼中の二つ目の大きな街Burgosだ。気が遠くなりそうなほど距離がまだまだあった。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195704j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195732j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195843j:image 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206195914j:image
 
 
かなり日が高くなり、雲ひとつない青空の真ん中にギラギラと輝く太陽が元気に活動中だ。あたりは木陰もない、草原地帯の道が果てしなく続いていた。休むところもないので、歩くしかない。
 
つらい、今日はとくにつらい。残りの水も少なく、水分補給できる水道も、店もない。熱中症になりそうだ。意識が朦朧とする中、汗を垂れ流しながら進む。たくさんの人に追い越され、Buen camio!と声をかけてくれるが、それに返事をする気力もない。今日はだめだ・・。
 
 Burugosを目指すことを諦めて、途中にあったObanejaという村にたった一軒あるバーの、二階にあるAlberugeに泊まることにした。荷物を置き、とりあえず一階のバーに駆け下りてビールを一杯飲む。蘇生した。生き返る〜!表のテラスには観光客の団体がBBQを楽しんでいるようだった。店の中にはカウンターに男が一人ビールを飲んでいるだけで、他には私以外誰もいなかった。二杯目のビールを飲み始めて、やっと意識が戻ってきた。登ったり下がったりした今日1日の工程を改めて振り返ってみる。Burgosにも行けなかったけど、よくがんばった自分を褒めてあげよう。
 
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180206200106j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180206200143j:image
 
バー以外に何もない村だったので人気がないのか、その夜、その宿に泊まったのは、私と、もう一人女性だけだった。バーは夜に閉まると、亭主は家に帰るらしく、建物には私とその女性一人だけ。なんだか少し怖かったが、疲れたので気絶するように眠った。
 

【10日目】スペイン巡礼 〜Villafranca

カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/13
スペイン巡礼10日目

昨夜泊まったGranonはリオハ州とレオン州の境目の小さな村で、出発するとすぐに州を越えることになる。今日の工程は比較的平坦で、大きな山場もなければ、じっくり見るような建造物もない。そんな行程。

昨日まであんなにカラカラに晴れていたのに、今日は辺りは霧に包まれていた。暗いうちでも、肌にじっとりと空気が触れ、霧が出ているのがわかった。辺りが明るくなってもなかなか霧は晴れず、薄暗い中を進むしかなかった。


ひたすらに歩いていると、霧の中から一面の花畑が現れた。田んぼのように区画整理させていて、花が咲いているところと、咲いていないところがあった。花は白く、ブラックライトで光るように薄暗い景色の中に浮いて見えた。一体何の花なんだろうか。農機具が置いてあったりするから、きっと農作物なのだろう。


霧が晴れると、今度は緑の草原が現れた。地図を見ると、3キロごとくらいに小さな村が点在していた。この中から、今夜の宿を決めよう。一つ目、「うーん、小さい」。二つ目、「うーん、なんか雰囲気が悪い」、三つ目「うーん、もうちょっと先までいけそう」。そんなこんなを言っているうちに、今までで一番距離を歩いていた。

もう一度地図を見直し、山の中腹にあるVillafrancaという町までいくことにした。翌日はちょっとした山を登らなければならないことを考えると、今日のうちに山の途中まで進んでおいた方が楽だろう、という考えだった。

この選択は正解だった。Villafrancaは規模小さく店もほとんどないけれど、景色がすばらしい美しい町だった。イメージでいうと、ハイジが住んでいそうな夏の緑あふれるアルプスの山だ。リゾート地のようで、カミーノを歩く以外にも、観光客が滞在しているようだった。今日は少し奮発をして、リゾートホテルに併設されているアルベルゲに泊まることにした。入り口はホテルと一緒なのでとても立派な造りだった。受付をすませると奥にある裏口から、裏庭になる巡礼者専用の建物に通された。アルベルゲといっても、建物の造りは立派で、設備も新しく清潔で広々していた。久しぶりにこんな感じのところに泊まった。ホテルと比べると簡素でまるで贅沢といえないけれど、巡礼宿と比べるともうAランクのアルベルゲだ。

シャワーも洗濯用のシンクもとっても綺麗で申し分なし。ただもちろん二段ベッドなのはいつもと変わらないけど。洗濯物は裏庭の大きな物干し場に干すことができた。ここがとっても眺めがよく、心地の良い場所で、芝生に寝転がってのんびりできる場所だった。


近くの商店で飲み物やパンやハムやスナックを買い込んで、裏庭でピクニックをした。こんなすばらしい山あいの景色を見ていると、ここに来て良かったなーと改めて感謝の気持ちがこみあげた。

午後になるとぞくぞくと巡礼者がやってきて、あっという間にベッドはいっぱいになった。みんながシャワーや買い物にでかけると、建物内はとても静かになった。小さなキッチンがあったので、お湯を沸かし、持っていたハーブティーを入れてみた。小さなキッチンの、小さなテーブルで一息をついて、なんだか脱力感で心地よかった。少し急ぎすぎたかもしれない。距離をかせぐことや、ほかの巡礼者との競争みたいになっていた自分を反省した。自分のペースでいいんだ、と改めて自分と向き合って話あった。ほっとしたと同時に、さらに心が脱力していく感覚があった。カミーノにきてよかった。

lifeiseasy.hatenadiary.com

【9日目】スペイン巡礼〜Granon

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/12

スペイン巡礼9日目

 
今朝は100人規模の大部屋(男女混合)だったので、みんなを起こさないようにかなり気を使って起きた。就寝室を出るとすぐに談話室兼キッチンなのだけど、もう何人かが支度をしていた。もうすでに埃だらけの靴を履き、紐をぎゅっと締めて歩き出す。
 
昨日パワーをもらった、エアーズロックのような赤土の大きな岩には切り通しのような通り道があって、越えていく。街灯がなく真っ暗な道をヘッドライトだけで照らして進んでいく。よくよく考えてみると、怖いんだけれど、やっぱりワクワクの方が大きくて。この闇の先がどうなっているのか知りたくて、ずんずん進む。
 
20分も歩かないうちに、ほんのうっすらと、真っ暗闇が濃い紺色になったころ、進んできた道を振り返ると、町でみたエアーズロックのような岩がはっきりとしたシルエットで見えた。あんなに大きかったんだ!砂漠のような平地にぱかっと逆さにして盛られたプリンのような岩だった。これも本当に美しい景色。写真には撮れないので、心に焼き付けて先を進む。
 
今日の工程はほとんど村がないので、最初の村でカフェによらないと1日中なにも食べられなそうだ。5kmほどいったAzofraという小さな村のカフェでカフェコンレチェとクロワッサンを食べる。並べられたオムレツにはコバエがいたので、袋入りのクロワッサンにしたのだ。こんなこともある。でもカフェコンレチェはやぱり美味しい。この村で食べておいてよかった。案の定、この先には食べるところなど何もなかった。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124005j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124048j:image
 
この先は少し高低差のある山をひたすら登っていく。なだらかな上り坂なので、感覚としては平地を歩いているような。でも膝にはしっかりと負担がかかっている。あたりは一面、草原。
 
日本にいる母が、今日の行程沿いにある「空に続く道」を写真に撮ってきてほしいと言っていた。Ciruenaという村の近くにあるとのこと。それらしき村に辿り着く。新しそうな集合住宅が並んでいるがどこも空き家でまるでゴーストタウン。人っ子ひとりあるいていなくて、寂しい村だった。村を抜けると、また草原に突入する。みんなどこで買い物とかしてるんだろ。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124551j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124627j:image 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124726j:image
 
 
例の「空に続く道」というのが、なかなか見つからない。なだらかな傾斜に一本道が続き、他に建物がないので、まるで空に続いているようにみえるようだが、どこまでいっても草原に一本道なので、どこがその道なのかがわからない。どれもそのような道にみえる。いくつかのポイントから何枚も写真をとって、なんとかそれらしき道を発見できたからよかった。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202124951j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125018j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125128j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125205j:image
 
いつまでも続き草原に嫌気がさしてきたころ、やっとSanto Domingoの町についた。小さくもなく、大きくもなく、これといって綺麗な建物や教会もなく、中途半端な印象。そして何より、陰気臭い。カミーノを歩いて身についたことは、気持ちのよい場所かそうでないのか、自分自身ではっきりとわかるようになったこと。そして、この町はわたしにとって気持ちのよい町ではないのだ。スキップして次の町へ向かうことに決めた。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125335j:image
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180202125420j:image
 
と、その前に、私は大きな決断をした。「よし、寝袋を買い換えよう。」これは冗談ではなく、本当にこの町のアウトドアショップで買い換えたのだ。日本から持ってきた寝袋は新しいものなんだけど、なんせサイズが大きい。私の45リットルのバックパックの半分ほどを占めていた。さらに周りのヨーロッパ人が持っている寝袋は驚くほどコンパクトで、軽そうだった。宿でそれを見るたびに羨ましくて仕方なかった。荷物の大きさと重さが歩くことに重大な負担がかかることを知った私は、ついに寝袋を買い換えた。日本から持ってきたものの、1/3くらいの大きさで70ユーロくらいだった。前の寝袋はその場で捨ててもらった。バックパックが一気に軽くなり、快適になった。よし、これでこの先も歩けそう。
 
Santo Domingoの町から5キロ先の、Granonという町を目標にした。すでに足はだいぶ疲れて、日も高くなっていたので、体力のタイムリミットは近い。車の通りが結構多い、大きな道路沿いのカミーノ専用道路をとぼとぼと歩く。道は砂利で、乾燥しているので埃が立ち、つらい。意識が朦朧としながら、途中で立ち止まりながら、やっと着きそうになった時、なだらかな坂道が地味につらい。半べそになりながら村に到着した。小さな村だが、少し高台にあり、風通しもよくて雰囲気もよい。まずはカフェに入り、ビールとサンドイッチを食べた。急に身体が冷えて、寒くなった。おかしなものだ。
 
目の前に教会があったので、ぐるりと回ると、なんと教会の二階にアルベルゲがあるとのことで、今夜はここにお世話になることにした。古くて、頑丈な石造りの薄暗い螺旋階段を登っていくと、Tシャツにゆるっとしたデニムをきたおじさんが迎えてくれた。冗談を言われたのだが、スペイン語でよくわからなかった。受付をすると、ここはスタンプがないこと、寄付制の宿であること、食事はみんなで取ること、を教えてくれた。二階にキッチンと談話室があり、三階はなんと雑魚寝タイプの寝室だった。もちろん男女混合で薄いマットレスの上に寝袋を敷いて寝るタイプだった。わたしの隣は太ったおじさんだった。「この人、いびきがうるさそうだな」と思ったけど、夜は案の定うるさかった。屋根裏部屋には洗濯ルームがあるが、薄暗くて風も通らないので乾きが悪そうだ。みんなは外の芝生にそのまま洗濯物を広げて乾かしていた。洗濯をすませると、散歩に出てみた。が、住宅と教会しかない静かな村だった。
  
f:id:lifeiseasyjp:20180202131440j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202131529j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125633j:image
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180202125714j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125745j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202125822j:image
 
 
夕方、アルベルゲを管理するおじさんと、アルベルゲの料理人のおじさんと宿泊するみんなでご飯の準備をした。野菜を切ったり、お皿を並べたり。みんなでやると早くてとっても楽しい。サラダと具沢山のスープとワイン。デザートにはオレンジ。いろんな国からやってきてたまたまこの宿に泊まった20数名が、一緒にご飯を食べた。共通言語は英語。楽しい会話と、おいしい食事。これこそ、カミーノでやりたかったことの一つが体現できた。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130031j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130053j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130239j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130122j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130203j:image
 
食事のあとはみんなで後片付けをして、秘密の扉を開けて、秘密の部屋に移動。そこは教会の屋根裏部屋だった。下には先ほどミサをした講堂がみえる。黄金のマリア像が輝いていて荘厳に見えた。ろうそくを一人一人もち、3分間の瞑想をした。が、笑いをこらえきれないメンバーが数名いて、みんなで大爆笑。瞑想のあとは、自分がカミーノにきた目的を一人ずついい、そして最後はみんなで握手とハグをし合い、終了。こういったことをリフレクションというらしい。初めての経験で、たのしかったし、この場にいられたことが幸せだった。みんなで何かを一緒にできたこと、時間を共有できたことがなにより幸せだった。表現しがたいが、これが素直な気持ち。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202130509j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202131207j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202131236j:image
 
そんな幸せいっぱいの夜は、おじさんの大爆音のいびきに耐えながら、就寝したのでした。
 
 

【8日目】スペイン巡礼〜Najera

カミーノ・デ・サンティアゴ 

2017/06/11

スペイン巡礼8日目

 
Logrono-Najera
 
お祭り騒ぎでよく眠れなかった翌日、少し遅めに出発する。街中はやはりホタテマークが見つけにくい。今日の行程は今までで一番長い、29kmほどある・・。気合を入れて出発。相変わらず小麦畑を進み、今度はぶどう畑が現れた。ワインが有名なリオハ州なだけあって広大なぶどう畑が続く。フランスなどにあるぶどう畑 は、傾斜のある地形で火山灰が多く含まれた水はけのよい土壌にあるイメージが多いけれど、スペインのぶどう畑はまたちょっと違うみたい。赤土で、わりと平坦な大地に、ざーーーっとぶどうの木が植えられている。まだ収穫の季節ではないらしく、細くてひょろっとした枝に葉っぱだけがついている。行けども、行けども、ぶどうの畑。麦の次は、一生分のぶどう畑を見ることになったのでした。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084437j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084517j:image
 
畑の遠くにぼんやりと町らしい建物がポツポツ見えてきた。ここからはまだまだ距離がありそうだ。畑を抜けると、工業地帯のような場所を突っ切るように道が続いていた。数十メートルもありそうな山のように積まれた砂利や、錆びてすすけた鉄パイプがいくつも伸びるプラント工場のような地帯を進む。見るものがなく、つまらない道をひたすら進む。トイレにもいきたいのに、カフェどころか、店も見当たらない、寂しい工場地帯。おまけに日も気温も高くなり、苛立ちが募る。
 
コンクリートの川の河川敷を歩き、乾いて誰もいない公園を歩き、町を目指す。すぐそこまで迫っているのに、なかなかたどり着かない。いくつか店がみえてきて、さらに最初のアルベルゲも発見。でも目指すは公共のアルベルゲ。お腹も空いていたけれど、頑張って目的のアルベルゲを探してみる。
 
綺麗な川を渡ると、古くて歴史のありそうな、建物がかわいらしい通りにたどり着いた。川沿いのバルやレストランにはたくさんのお客さんで賑わっていた。とても活気があって、たのしい町。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084607j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084648j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085534j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085558j:image 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085628j:image
 
目的のアルベルゲは川沿いにあった。受付をすると、なんと寄付制とのこと。ボランティアで働くおじさんやおばさんは愛想がよく、笑顔がすてき。おじさんが大部屋に案内してくれると、そこは100台くらいのベッドが並ぶ、本当に大型のアルベルゲだった。もちろん若者は二段ベッドの上に通され、痛む足を引きづり、上に上がる。カーテンが閉められていて、少し薄暗かったが、よく見ると、二段ベットがぴったりとくっついて設置されている。つまり、隣の人が添い寝レベルに近くに寝ることになる。異性がきたらどうするんだろう・・と心配したが、そこは配慮してくれるらしく、私のとなりには女性が案内された。これはいびきが大きかった場合は大ハズレだな。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084728j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084908j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202084829j:image
 
洗濯をしたら、町をお散歩してみる。スーパーもあるくらいのサイズの町で、お水やパンやハムを調達した。帰り道、この町が大きな一枚岩のすぐそばにあることがわかった。建物のすぐ裏に赤土の岩の断面がそびえ立ってみえる。近づいてみると、全貌が見えないほど大きな岩だった。オーストラリアのエアーズロックに似ていて、岩の断面を見ただけで、すごく大きなエネルギーをもらえた気がした。10分ほどでぐるーっと回れてしまえるほどのサイズ感だけれど、とても親しみやすい明るい雰囲気の町だった。一見のバルに入り、ビールとチョリソーをほうばる。幸せな午後。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085001j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085050j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085133j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085242j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085317j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085346j:image 
 
 
夕方、涼しくなってから川沿いの芝生に寝転んで、人々を眺めてみた。みんな芝生にゴロンとしてくつろいでいる。川の対岸には移動式の遊園地があり、子供たちや大人たちが楽しそうに遊ぶ声と、爆音のスペイン歌謡曲が流れてくる。それに合わせて、こちら側の大人たちが口ずさんでいる。きっと流行りの曲なんだろうな。夕方の少し弱まった光の中でのこの光景が、今になってもなんだか忘れられない。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085413j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085428j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180202085442j:image 
 

【7日目】スペイン巡礼〜Logrono

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/10

スペイン巡礼7日目

 

素敵な丘の村Sunsolをあとにし、今朝も早朝に出発する。Sansolから10分ほど歩くとすぐにTorresという村についた。早朝でまだカフェも空いてないけれど、とてもよさそうな村だった。こちらに泊まってもよかったかも。道中には「あ〜やっぱり次の村の方がよかった〜」ということがよくあった。でもその時は疲れてヘトヘトでもう歩けない!と思って、近くの村にステイしてしまうのだけど、翌日歩き始めるとよさそうな村が見つかることがよくあった。それも言ってたらきりがない。

 
この日は月がとても綺麗だった。たぶん、日本でも話題になっていたスーパームーンのときだったと思う。まんまるで大きくて、地球の反対側で見ても同じように見えるんだなと感心した。が、わたしが見ていた月は、早朝の月。ぼんやりと当たりが明るくなってきて、景色が移り変わる様子を眺めながらスペインの田舎道を歩くなんて、なんて素敵なんでしょ。やっぱり朝に幸せをかみしめてる。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201140728j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201140807j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201140857j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201140928j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201140957j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141019j:image
 
 
さて、本日の目的地は、道中で3つの大都市のうちの一つ、ログローニョという街。そんなに距離はないはずなんだけど、本当に辛かった。田舎道を抜けると、車道沿いの道をひたすらに歩き、特に見るものが少なくて退屈してしまうのも難点。
 
 
 
膝が痛くなったころ、だんだんと田舎道から街のにぎやかな雰囲気の通りになり、気分も高まる。大きな川を越えてついたのが今夜の宿のログローニョだった。目当ては公共のアルベルゲ。12時前には到着してしまい、13時オープンとのことで荷物をおいて、靴からサンダルに履き替えて庭の小さな足用プールに足だけ浸かってみる。つめたくて気持ちがいい。乾きにくい靴下を洗って干して、街に繰り出すことにした。街を歩いてみると、今夜がキリスト今日のお祭りだということを知った。出店がいっぱい並び、街の真ん中の広場には人がたくさん集まっている。とってもにぎやか。一度宿に戻ってチェックインすると、また街へ繰り出した。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141227j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141333j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141402j:image
 
日本のお祭りとにていて、食べ物や雑貨や金物や香辛料や伝統工芸品などの出店が道に連ねていて見ているだけでも本当に楽しい。オーガニックのソープなんかを売っている店もあり、楽しい。ここはいままで行ったスペインの街の中でも特に様々な人種の人たちが暮らしているようだった。サリーを身にまとった人や、ムスリムの人なんかが香辛料を売っている出店もいくつかあった。ワインを買って、生ハムやソーセージの試食をつまみながらのんびりお散歩してみる。あ〜なんて優雅な1日なんでしょう。とっても楽しい。リオハ州はワインが有名な土地柄ということで、バルをはしごしていろんなワインを飲んでみた。まるで旅行者みたいに夜を楽しんで10時が門限のアルベルゲに帰ったのでした。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141454j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141526j:image 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141549j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141621j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141644j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141709j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141751j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141814j:image
 
 f:id:lifeiseasyjp:20180201141853j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201141928j:image
 
 
優雅な気持ちでベッドに入ったところまではよかったんだけど、キリスト教のお祭りは甘くなかったみたい。よるの12時を回ると急に町中の教会が鐘を鳴らし出し、泊まっているアルベルゲの隣も教会だから地鳴りのように響く鐘がそこらじゅうで鳴って、さらには花火までもがドカドカ上がり始めた。花火をみているであろう大勢の人たちが奇声をあげて盛り上がっている。わたしたちは鍵で締められた建物から一歩もでられす、電気もつけられないので、そのうるさい中で布団、ではなく寝袋にくるまってそれが止むのを待つしかないのだ。拷問。これも修行なのか・・。ついにはその鐘の大合唱はなんと1時間以上も続いたのでした。。。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201192335j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201192434j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201192508j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180201192532j:image
 
 
 

【6日目】スペイン巡礼〜Sansol

カミーノ・デ・サンティアゴ
2017/06/09
スペイン巡礼6日目
 
翌日も早起きして、みんなが寝ている間にそっと身支度をする。昨夜夜遅くまで街に繰り出していた若い子達はみんなまだぐっすりだ。荷物を全部もって一階へおりていくと、何人かが暗いキッチンでスマホの明かりを頼りに軽い朝食をとったりしていた。玄関の周りにも何人かが靴をはき、出発の準備をしていた。

昨日の夕方にも今日の道順を下見したが、どうやらホタテのマークがわかりにくそうだった。街中にいくほど、ホタテのマークが見つけにくくなる。交通標識やお店の看板が多く、気が散るのだ。何人かの人の後について、出発した。この選択は正しかった。何人かの大人がいても迷ってしまうほどわかりにくい。全員が「この人たちについていけば大丈夫」と思っているので、一番に歩く人が間違えれば全員アウトなのだ。間違えそうになっては、マークはどこがと全員で見回し、肩をすくめる。全員でウロウロして、誰かがマークを見つけると大声で叫ぶ。たとえ言葉がわからなくても、「それが見つかった」ということは以心伝心で伝わるのだ。
 
そんなことを繰り返しながら、なんとか街を脱出した。少し丘をあがり、それはあった。有名なワインの蛇口だ。イラーチェ村の近くにることはどなたかのブログで知っていただのだが、まさか朝の6時半に到着してしまうことは想定外だった。何人かが蛇口の回りにいて、マグカップや水筒でワインを飲んでいる。わたしもサーモスの水筒いっぱいにワインを入れて飲んでみる。うん、若くてフルーティだが、さっぱりしてておいしい。ジュースの感覚。そばにいた女性はアルコールが飲めないらしいが、記念だと進めると一舐めしていた。肩をすすめたが、”good"とのこと。これがお昼ころで、そしてお世話になるお宿がそばにあったらもっと酔っぱらえたのに。残念。無論、そばにあるワイン資料館も空いておらず、行けず仕舞い。先を急ぐことにした。ワインはなくなり次第終了とのことなので、朝に行けたのはラッキーだったということにしよう。
 
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192238j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192459j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192524j:image
 
 
そこからは上り坂のようだった。ゆるく長い上り坂で、緑は豊かだが先が見えない。アルコールを飲んでリラックスした状態とはいえ、朝7時の上り坂はこたえる。やっとのことで上りきると、視界が開けて広い麦畑が現れた。ちょうど朝日が上り、蒸発する朝露ですこしだけ霞んでみえた。麦が朝日に照らされてキラキラとひかり神々しくみえた。遠くに山脈がみえ、その下にはうっすらと雲海もみえた。なんて素晴らしい景色。思わず手を合わせてしまった。気づくと回りの巡礼者も手を組んでお祈りしていた。ここに来て良かった。そう思う瞬間はやっぱり1日のはじまりの朝にやってくる。一番清々しく、心が洗われる時間。ここにいられることを感謝して、この思い思いを忘れないよに噛みしめる。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192345j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192552j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192628j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192702j:image
 
心がすこし軽くなって、先を急ぐ。急ぐ必要はないのだが、やはり日中の日差しのことを考えるとまだ涼しい時間帯に距離を稼ごうとやはり早歩きになってしまう。今日は緑の多い地帯で見るものが多く楽しい。オリーブ畑を突っ切るように歩く。途中道路をわたり、ずんずん進む。そして突入してしまった。永遠とも思える麦畑に。進めど進めど街などみえてこない。カラカラの大地に、日差しも強くなってきた。水もすこしずつ少なくなってきた。次の丘を越えたら、次の丘を越えたらきっと・・・と幾度も超えるも街はみえなかった。そして何個目かの丘を超えると、なんと、街、ではなく、出張カフェワゴンがみえてきた。ワゴンの回りにはテーブルと椅子が置かれ、ボカディージョやカフェコンレチェやナランハ(オレンジジュース)が飲める、まさにオアシス。心が折れたので、ここで休憩することにした。トルティージャとカフェラテをいただく。ここでいただいたものは格別に美味しかった。オアシス効果かな。割高なんだけど、こういった出張ワゴンには道中助けられました。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192826j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192853j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192924j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131192951j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193021j:image
 
 
そして気合を入れ直して出発。休憩している間にも随分とたくさんの人たちに追い越されたらしく、前を歩く人が増えた。そして膝の痛みも出てきた。そんな中、隣をさっそうと歩いて追い抜いていく若いアメリカ人の女の子が輝かしくみえた。前にちょっと挨拶をした程度の子だけど、綺麗な筋肉がついていて、はつらつとして格好いい。あんな女性になりたい。(といってもきっと彼女は年下だけど。)さっそうと歩く姿が、自由で自身があって、魅力的にみえたのだ。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193115j:image
 
そしてやっと、今夜の目的地Los Acrossについた。とても古い街で、重厚感のある石の建物や教会が立ち並んでいるが、どれもとても歴史があり古そうにみえた。ずっと同じペースであるくアメリカ人のヒッピー男性もまた同じくたどり着いていた。ビールをおごってくれるというので、広場のテラスでみんなでビールで乾杯した。今日はここに泊まるのかと聞くと、みんなはもっと先に行くという。すごいなぁ、がんばるなぁと感心していると、「あなたもいくでしょ?」と当たり前のように聞いてくる。今夜はこの街にステイするというと、肩をすくめた。
 
しかし、よく理由はわからないが、わたし自身この街にしっくりきていなかった。なんだか陰気くさいというか、落ち着かない。魅力を感じないのだ。みんなの後押しで、わたしも頑張って次の街を目指すことにした。時間はお昼前だが、次の街までまだ5キロ以上ある。わたしにとってはものすごい覚悟。よし、行こう。体力が心配なのでみんなより先に失礼して先に出発することにした。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131091724j:image
 
 
ところがこれが本当に辛い道だった。道は平坦だが、きつい日差しと、あとは先が蜃気楼で滲むほど真っ直ぐな道。次の街が一向に見えない。はぁ、少しだけ後悔したが、もう進むしかない!がんばるぞ!足をひきずりながら、意識が朦朧としながら、なんとか目標としていた街の一歩手前のSun Solという小さな丘の上の街に辿り着いた。San Solとは”日が照らす”という意味で、本当に日陰がなく照らされ続けているであろう丘の上の小さな集落だった。星が綺麗に見えそうという理由で、あともうこれ以上は無理、という理由でここの少し料金がお高めのアルベルゲにステイすることに決めた。
 
トルコっぽいおしゃれなインテリアのホテルで、お庭には芝生と足を冷やすプールがあって本当に素敵な場所だった。ただお店が何もないので、ホテルで食事をするしかないのが難点だったが、もう選択肢はこれしかなかった。芝生に素足でリラックスしながら飲んだビールの味は忘れない。本当に素敵な秘密の花園。静かで、快適な午後を過ごしました。案の定、星空を見る前に就寝してしまいましたけど。
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193154j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193359j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193425j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193539j:image
 
f:id:lifeiseasyjp:20180131193634j:image
 

【5日目】スペイン巡礼 〜Estella

カミーノ・デ・サンティアゴ

2017/06/08
スペイン巡礼5日目

今日もみんなよりも少し早く起床し、出発する。昨日の夜、子供たちがボートで遊んでいた石造りの橋を渡り、暗闇の中ホタテマークを頼りに進む。今日は町を出ると途端に山の中の道だった。特に景色がよいわけでもないので、テンションも上がらない。途中、マークを見失い、ウロウロしていると、巡礼者が後ろからやってきて、一緒に探す。そんな風に、どこのだれかもしらない人と協力し合って、道を探すことは何度もあった。

 

辺りがだんだん明るくなってきた頃、顔を見上げると遠くに見える山の断面に朝日が当たり、反射して神々しく光ってみえた。まるで鏡のように、強く反射していた。そんなありがたい風景を見ていると、目の前に急勾配な坂が現れた。急すぎて、バックパックの重みで後ろに倒れてしまいそうだ。ハァハァしながら必死に登っていく、他の巡礼者がさっさと横を抜かして登っていく。くそーっ早起きして一番に出てきたのに、抜かされたー。巡礼は競争でもなんでもないのに、体力のない自分に嫌気がさす。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918162831j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918162845j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918162900j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918162919j:image

 

山道を終えると、また麦畑に突入した。今日も日差しが強く、そして日陰のない道。朝食を取りたいのに、なかなか町がない。町どころか、村も見当たらない。変わらない景色に飽きてきて、ふてぶてしく歩いていると、ついに町を発見!と思ったら、歩けど歩けどなかなかたどり着かない。蜃気楼かと思ったが、やっと町に入るも、カフェが一軒もない。他の巡礼者たちもウロウロと探しているから、たぶん無いのだろう。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918162941j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163000j:image 

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163007j:image

 

結局この日は何も食べずに6時間歩き続けた。まだか、まだか、と目的地までの距離をいちいち計算して確かめる。今夜は星の降る町、エステージャだ。昔むかし、星が落ちたところを掘ると、マリア像が出てきたという。そんな神秘的な町であるものの、空腹と疲れでロマンのある想像などできない。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163102j:image

 

森の中の小さな川をわたり、坂を下りやっとの思いで到着。時刻は11時半だった。アルベルゲのオープンは12時半。何人かの巡礼者たちで、オープン待ちをした。やっと中に入れると荷物をおき、アルベルゲの目の前のカフェでビールとハンバーガーを食べる。最高!川が見える素敵なカフェだった。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163153j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163232j:image 

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163253j:image

 

お腹が落ち着くと、エステージャの町を散策してみた。想像していたよりも大きな町で、バーやレストランやショップが何件もあって賑わっていた。教会の前の広場ではマーケットがやっていて、果物や野菜などの青空市から、洋服などをテントの店先に吊るして激安セールをしている店も何件もあった。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163357j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163422j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163455j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163529j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163557j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163624j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918163733j:image

 

アルベルゲに帰って、洗濯して、素敵なオレンジ色の中庭でくつろいでいると、1時間の間に雲行きが怪しくなり、突然土砂降りになった。あんなに日差しが強くて、青空だったのに。そのうちに雷もなり出し、嵐のようだった。これでは、星降る夜空も拝めなそうだ。案の定、雨は一晩中降り続いたのでした。

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918164030j:image

 

f:id:lifeiseasyjp:20170918164103j:image 

 

 

lifeiseasy.hatenadiary.com