LIFE IS EASY

32日間かけて、スペイン巡礼フランス人の道を歩きました!

【5日目】スペイン巡礼 〜Estella

2017/06/08
スペイン巡礼5日目

今日もみんなよりも少し早く起床し、出発する。昨日の夜、子供たちがボートで遊んでいた石造りの橋を渡り、暗闇の中ホタテマークを頼りに進む。今日は町を出ると途端に山の中の道だった。特に景色がよいわけでもないので、テンションも上がらない。途中、マークを見失い、ウロウロしていると、巡礼者が後ろからやってきて、一緒に探す。そんな風に、どこのだれかもしらない人と協力し合って、道を探すことは何度もあった。

 

辺りがだんだん明るくなってきた頃、顔を見上げると遠くに見える山の断面に朝日が当たり、反射して神々しく光ってみえた。まるで鏡のように、強く反射していた。そんなありがたい風景を見ていると、目の前に急勾配な坂が現れた。急すぎて、バックパックの重みで後ろに倒れてしまいそうだ。ハァハァしながら必死に登っていく、他の巡礼者がさっさと横を抜かして登っていく。くそーっ早起きして一番に出てきたのに、抜かされたー。巡礼は競争でもなんでもないのに、体力のない自分に嫌気がさす。

 

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山道を終えると、また麦畑に突入した。今日も日差しが強く、そして日陰のない道。朝食を取りたいのに、なかなか町がない。町どころか、村も見当たらない。変わらない景色に飽きてきて、ふてぶてしく歩いていると、ついに町を発見!と思ったら、歩けど歩けどなかなかたどり着かない。蜃気楼かと思ったが、やっと町に入るも、カフェが一軒もない。他の巡礼者たちもウロウロと探しているから、たぶん無いのだろう。

 

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結局この日は何も食べずに6時間歩き続けた。まだか、まだか、と目的地までの距離をいちいち計算して確かめる。今夜は星の降る町、エステージャだ。昔むかし、星が落ちたところを掘ると、マリア像が出てきたという。そんな神秘的な町であるものの、空腹と疲れでロマンのある想像などできない。

 

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森の中の小さな川をわたり、坂を下りやっとの思いで到着。時刻は11時半だった。アルベルゲのオープンは12時半。何人かの巡礼者たちで、オープン待ちをした。やっと中に入れると荷物をおき、アルベルゲの目の前のカフェでビールとハンバーガーを食べる。最高!川が見える素敵なカフェだった。

 

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お腹が落ち着くと、エステージャの町を散策してみた。想像していたよりも大きな町で、バーやレストランやショップが何件もあって賑わっていた。教会の前の広場ではマーケットがやっていて、果物や野菜などの青空市から、洋服などをテントの店先に吊るして激安セールをしている店も何件もあった。

 

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アルベルゲに帰って、洗濯して、素敵なオレンジ色の中庭でくつろいでいると、1時間の間に雲行きが怪しくなり、突然土砂降りになった。あんなに日差しが強くて、青空だったのに。そのうちに雷もなり出し、嵐のようだった。これでは、星降る夜空も拝めなそうだ。案の定、雨は一晩中降り続いたのでした。

 

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【4日目】スペイン巡礼 〜Puente la Reina

2017/06/07

スペイン巡礼4日目

 

いつもより少しだけおそく起きて、出発。目の前のカフェで朝ごはんを予約していたのだけど、予約していた巡礼者はわたしだけのよう。というのも、パンプローナのような大きな街では、宿で朝食を予約しなくても町中に色んなカフェがあるから好きな場所で食べらるのだ。勉強になった。

 

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小さな村に泊まると、次に朝食が取れる場所が10km先、とかがザラにあったので、そういった時は宿の朝食を予約していた。

出発してからしばらくはパンプローナの街中を歩く。早朝なのに巡礼者以外にも出勤する人や学生なども歩いていた。

 

街を抜け、小さな丘を越えると、急に草原に突入。遥か遠くに、また大きな丘が見える。あそこを越えるのか…。距離がありすぎて、果てしなく思える。1日目の峠越えをしてからというもの、行程や体力の配分など考える暇もなく、とりあえず時間までに今日の距離をこなすという、機械的な気持ちで歩くのが精一杯だった。たのしむ余裕がないわけではないが、地平線まで続く道を見たり、高い丘を見るたびにため息が出た。

 

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ひたすらに麦畑を歩いていると、果てしなく見えていた丘に、風力発電の白いプロペラが立っているのが見えた。このあとカミーノ道中では幾度となく見るのだけど、山の尾根に沿って大きなプロペラが等間隔で立っているのは、なかなかの迫力だった。ハイキングコースのよう道を登っていくと、プロペラの真下に着いた。下から見上げるとその大きさに驚く。風も吹いていて、プロペラが回っているので、音もすごい。振り返ると、登ってきた道と、その先に広がる麦畑が壮大で素晴らしい景色だった。遥か遠くに、パンプローナの街がみえる。ここまで歩いてきたんだなぁ、と実感できる瞬間だった。

 

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プロペラロードをさらに登り切ると、それは現れた。Alto del Perdonの丘だ!!!スペイン巡礼に関連する本の表紙や、色々な方のブログで拝見して憧れだった場所!!!鉄で出来た、巡礼者のシルエットが並んでいる。丘の上にあるので、景色はすばらしく、スペインの大地を背景にそぞろって歩く昔の巡礼者たちをイメージした鉄のオブジェがなんとも映える。ここに来れてすごい達成感!他にもたくさんの巡礼者たちが、記念撮影をしていた。まるでゴール地点についたかのように。笑

 

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カラッカラッの空気と、刺すように強い日差しの中長時間滞在するのは難しく、撮影をしたらさっさと丘を下ることに。出張カフェのトラックを横目に、坂を下りはじめてみたものの、足場の悪さと傾斜にびっくり。大小様々な大きさの石ころが転がっていて、かなり神経を使う。空気が乾燥しているので、ほこりも立ちやすい。足元に気を取られていたが、顔をあげれば地平線まで真っ平らな乾いた大地が広がっていた。

 

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そしてここからが長かった。丘の上で本日のメインイベントが来てしまったので、あとは見慣れた景色が続く道をひたすらに進むだけ。日差しは午後になるにつれてどんどん強くなるものの、日陰が全くない。太陽が頭の上にくると、小さな木陰に身体隠しながら休憩するしかない。残りの水の量を見て、調整しながら水分補給。スペインの日差しの洗礼を一身に受け続けた一日だった。

 

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随分と歩いて、もう心も身体もヘトヘト…。やっと小さな村を発見して、ヨロヨロとバーに入る。とてと雰囲気の良いバーだった。Utergaという村。芝生の庭があって、テーブルと椅子がおいてある。開けっ放しのドアからバーの中に心地よい風が流れていて、今まで入った中では一番印象がよかった。聞くと、アルベルゲも併設しているみたい。もう、今日は疲れたからここに泊まろうかな…。地図を開くと、まだ15kmくらい…。今日の目的地はまだまだ。冷たいデザートをいただいてから、重い腰を上げて出発した。ほんとに、ここに泊まれないなんて惜しいけど、まだ旅も序盤なので先を急ぐことにした。

 

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やっとの思いで、本日の宿に到着。今日も修道院を改装した、大きめのアルベルゲ。裏に大きな庭があって、洗濯物を干すスペースもたっぷり。洗濯を済ませると、芝生にごろんと寝転がって、マッサージをして、ちょっとお昼寝。小さな虫がいっぱいいるけど、気にしない。

 

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小さな小さな村なのでスーパーもなく、シエスタに突入したためどこもお店が空いてない。極限までお腹を空かせてから、少し通りを散策してみた。教会から伸びる一本の道に、バーや商店が軒を連ねていた。巡礼者たちがバーの店先のテーブルでワイワイとビールを飲んでいた。一通り店をみて、雰囲気の良さそうなバーに入った。雑貨屋もやっているようで、売り物の箒が天井から吊り下げられている不思議な店内だった。奥のテーブルでは地元民と思われる奥様方がワイワイとビールを片手におしゃべりしていた。その隣に座り、ビールとトルティージャを頼んで、彼女たちの会話に耳をすませてみる。どこの国でも女性たちはおしゃべりが大好きなんだな。

 

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 ほろ酔い気分で店を出てみると、19時を過ぎているのにまだまだ明るい。午後15時くらいの感覚。川沿いに出ると、立派な石造りの橋があった。子供たちがゾクゾクと集まってきて、ボート教室が始まったようだ。こんな時間から外で習い事ができるなんて、日が長いヨーロッパならではだな。とってものんびりした、よい村なのでした。

 

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本日の宿: Padres Reparadores €5

ポイント: キッチンあり、男女共同バスルーム、物干し場あり

難点: 二段ベッドが高め、近くにスーパーがない

 

 

 

 

【3日目】スペイン巡礼 〜Pumplona⑵

2017/06/06

 

つづき…

 

 

パンプローナの中心街に近づくと、いよいよビルやお店が増えて通りも賑やかになってきた。バスの乗り換えで数日前に一晩だけ滞在したけど、3日かけてやっと戻って来た。目指すは城壁。城壁の中に旧市街があって、そこの修道院のアルベルゲが今夜の宿。残りの力を振り絞って、街中の通りを歩く。街に入ると途端にホタテマークを見失いがちになるので、黄色い矢印を必死に探しながら歩く。電柱やらベンチやらゴミ箱やら、黄色い矢印は想像もつかないようなところにある。そして、やっと城壁を発見!
 
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城壁の門をくぐると、そこは旧市街。古くて
カラフルな建物がならぶ、歩いているだけで楽しい街!パンプローナはサンフェルミンという牛追い祭で有名な街だけに、一ヶ月後にせまったお祭りのチラシが町中に貼ってあってすでに盛り上がっている。牛追い祭のグッズが売られている土産物屋もたくさん。

 

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この細い通りを牛と人が駆けずり回るのかと思うと、興奮する!ほんとに建物がビッチリと並んで立っていて、建物と建物の間に細い通りが無いのが特徴的。ちなみにこんなに人がいないのは、14時から17時までのシエスタタイムだったから。ほんとにすべてのお店が閉まってます!そんなこんなで、とりあえず目的の宿を探していると、同じ宿を探す巡礼者たちに遭遇し、ついていくと到着。なんら変哲も無い建物の見た目なので、自分一人だったら見つけられなかったでしょう…。今日の宿は、わたしが想像する通りの収容所そのもの。200名近く収容できる大型のアルベルゲで、ベッドも古くて、中も薄暗く、シャワーもトイレも男女兼用でまるでプールのシャワーのよう。よし、これも経験。何事も試してみよう、そんな気持ちでステイしてみた。   

 

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今思えば、こんな経験滅多にできないし、ステイしてよかったと思う。大型のアルベルゲは学校の修学旅行生がいる率が高く、ちょっと騒々しいけど、たまにはいいかも。ここのアルベルゲのよいところはキッチンがとてもきれいだったこと。街にステイするときは、みんな外でご飯を食べるから、キッチンが空いていて使いやすい。このときもキッチンを使っていたのは、わたしと台湾人のカップルだけだった。

 

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それにしてもパンプローナは6月だというのに本当に寒くて、シャワーの後も震えながら着れるものを全部着て、しばらくベッドの寝袋にくるまっていた。シエスタが終わる頃、再び街に繰り出してみた。あんなに静かだった街に、人が溢れていて、バーやショップが賑わっていて、ほんとどこにみんな隠れていたの?という感じ。3日ぶりの都会が楽しい。パンプローナの街は面白くて、まるでジュエリーがならぶようなショウウィンドウに生鮭が並んでいたりしてびっくり。他にも洋服屋さんやかばん屋さんやスポーツ用品店、薬局、スーパーなどなどなんでも揃う大都会。

 

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本日の宿: Jesus y Maria €7

ポイント: 100人以上の収容所スタイル、男女共同バスルーム、キッチンあり、洗濯ルームあり

 

【3日目】スペイン巡礼 〜Pumplona⑴

2017/06/06

 

3日目

朝4時に起床。
起きた、というか眠れなくなってしまったため、大部屋で周囲を起こさないように、そーっと支度をしながら、宿を出た。

 

3日目にして、他の人よりも早く進みたい、出しぬきたい、という欲張りに似た感情が湧いていた。わたしの悪い癖。

 

そんな卑しい感情を抱いたからか、3日目にして2枚しかないスポーツブラのうち1枚を無くし(物干し場から取り込み忘れたか、、、)、さらに寝袋のケースを失くした。代償はこのあと大きかった…。

 

そんなことはこの時つゆ知らず、真っ暗闇の中の森の中を歩き始めた。本当に真っ暗だった。電灯もなければ、月明かりもなく、持参したヘッドライトだけだった。足元が見えないため、トレッキングポールで道を探りつつ、進んだ。両手がふさがっているときは、頭につけられるタイプのライトが役立つ。

 

今思えば、真っ暗闇の森の中を歩くなんて、普段なら怖くてできないけど、これもカミーノマジック。わたしは無敵だった。時々、動物の目が暗闇に光ったときは、息が止まるほど怖かった。

 

Zubiriからの森の中の道は、道なき道に近い、獣道だった。草木が生い茂り、顔や身体に枝やツルの先があたるほど鬱蒼としていた。そのうちに開けて、突然山の中に工業地帯が現れた。煙突や複雑に組み込んだパイプが暗闇でも光って見えた。下からは煙も上がっている。24時間稼働なのか、遠くの道路に大きなトラックが走っているのも見えた。道は工業地帯の敷地内に続き、砂利道だったり、半分舗装された階段があったりと、巡礼路の一部とは思えなかったが、確かにホタテのマークは数メートルごとに設置されていた。

 

工業地帯を抜けるとまた森の中に戻り、薔薇のトンネルを抜け、川沿いを歩き、麦畑の中をズンズン進む。目印はたったひとつ、ホタテマークだけ。

 

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 この辺りは常に景色が移り変わり、飽きのこない道。朝日に照らされる麦が、風にゆられる様は本当に美しかった。日本から遠く離れた、ヨーロッパに来ているんだなと実感できた。

 

小さな村をいくつも抜けたが、どの村の家にもきれいに花が飾ってあって絵本のようにきれいだった。村には必ず小さな教会があった。

 

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10kmほど歩き、身体もくたくたに疲れた頃、トドメの丘が現れた。どうやら迂回路はなさそう。公園で休んで、また重い重いバックパックを担ぐと、馬に乗った集団がやってきて、その丘をパカパカと悠々と登って行った。うらやましい…。わたしはその馬たちが歩きながら落として行った糞だらけの道を歩かなければならないのだ。

 

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丘を越えると、国道沿いの道に出た。車がびゅんびゅん通り、その向かう先にはパンプローナの街が見えた。まだ距離がありそうだ…。脚を引きずりながら、コンクリートの乾いた道路をくだり、川沿いの舗装された道にでた。立派な石造りの橋があり、観光客向けと思われるカフェもいくつかあった。だんだんと都会に近づいてきた感じがする。川沿いには学校もあり、学校の敷地内に巡礼路が続いていた。途中ホタテマークを見失いつつ、歩いている人に聞いてパンプローナの中心街を目指す。

 

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【3日目】スペイン巡礼 〜Pumplona⑵へ続く…

 

 

【2日目】スペイン巡礼 〜Zubiri

2017/06/05

スペイン巡礼2日目

 

朝起きると、まだ雨がふっていた。
乾かして畳んでしまったレインコートをまた広げる。

 

この修道院のアルベルゲの周りはお店やレストランが何もないと聞いていたので、あらかじめ予約しておいた朝食が正解。あたたかいカフェコンレチェ(カフェラテ)で身体をあたためて、出発に備える。

 

7時頃、出発。
思えば、出発前は峠越えに焦点を当てすぎたので、越えた後の行程やペース配分を何も調べていなかった…。パンフレットを見ると、本日の行程は20kmで、Zubiriという村が目標。昨日は25kmの山登りをやってのけたんだから、20kmは大したことないでしょ。そんな風に思ってた。

 

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歩き始めたものの、レインコートを頭まですっぽりかぶっているので、周りの景色が見えずらく、生乾きの靴からの水分が靴下に染みてきて、テンションは下がりっぱなし。

 

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しょっぱなから、昨日とは打って変わって、森の中の道をゆく。絵本に出てくる、ヨーロッパの森の小道みたいでちょっとワクワクする。

昨日は日本にいるのと変わらない、といっていた植物も、なんとなく、はじめて見る植物や花が増えてきた気がして、ヨーロッパにいることを感じられた。車道には、自転車で巡礼をする人たちがたくさん走っていた。自転車だと早くて2週間ほどで、サンティアゴまで着くらしい。

 

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しばらくは平坦な森の小道が続き、そのうちに小さな村に出た。玄関先や窓辺に花が植えられた、可愛らしい家々が立ち並ぶ小さな村だった。こんなにこじんまりとした村なのに、村の真ん中あたりにちゃんと小さな教会がある。そのおもちゃの街みたいなミニュア感たっぷりの街並みを、他の巡礼者たちも写真を撮っていた。町を通過する途中で右に曲がり、また牧場の中を突っ切る形で巡礼路は続く。

 

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家畜たちはいたりいなかったり。青々とした牧草が生い茂り、家畜たちには十分すぎるくらい。時々道に巨大な糞の塊が落ちていることを見ると、ここは家畜たちの移動路でもあるのかもしれない。

 

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森を抜け、小川をわたり、休憩して、また牧草地帯に入り。決して道は平坦でも、舗装されているのでもなく、登ったり降りたりと地味に体力が奪われる。途中雨が止んだりもしたけど、日当たりが悪い森の中の道はぬかるみが激しい。

 

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そしてあと数キロで本日のゴール地点、というところで山を登りきった。あとは山を降りるだけだ!そう思ったが甘かった。疲れ果てた脚と膝に、下り坂のダメージは大きい。降っても降っても、まだ着かない。ゴロゴロとした岩が多く、足元が安定しない。気をつけないと、岩に足を取られて転んでしまう。最後は嫌になって、やけくそで小走りに山道をかけ降った。急にあたりが開けて、小さな川にかかる石造りの橋が現れた。本日の目的地、Zubiriの村だった。

 

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橋のたもとに村の地図があったが、数件あるアルベルゲを見て回る気力もなく、橋を渡って一番近いアルベルゲを選んだ。オスピタリオ(管理人)の女性は商売上手で、明日以降の順路に一番近く、Wi-fiも使い放題で€10だとオススメしてくれた。大部屋は部屋は狭く、暗かったが、もう今日は心地よさは望んでいなかったのでそこに決めた。部屋にはすでに女性が休んで降り、彼女も相当に疲れているようだった。

 

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シャワーと洗濯を済ませ、食料を買いに小さな商店に行った。村で唯一の小さな商店は、パンや雑貨も売る精肉店だった。ハムとパンを買い、即席のボカティージョ(サンドイッチ)を作って店の前のテーブルで食べた。疲れた身体に缶ビールがしみる。時刻はまだ昼の12時半だった。

 

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小さな村なので観光をするようなところもなく、アルベルゲの裏庭の公園でのんびりしてみる。芝生に腰をおろして、ストレッチをしながら、続々と橋を渡ってくる巡礼路たちを見ていた。すると馬に乗った巡礼者たちがやってきて、川で馬に水を飲ませていた。数頭の馬が一気に川に入ってくると、結構な迫力だ。わたしも脚を冷やしに、川に入ってみた。6月だけど、水はまだまだ冷たかった。”まだ2日目なのか”、といつの間にか晴れ渡った空を眺めて、すごいことを始めてしまったんだな、と改めて思った。

【1日目】スペイン巡礼 〜Roncesvalles⑵

2017/06/04
 
つづき…
 
 
やったー!これで下れる!と思ったら甘かった。下山といっても、下りだけの道ではなく、時にはまた登り、そして降るといった「山あり谷あり」な下山路だった。雨は心なしか、登っているときよりも強くなってきている気がした。膝を痛めないように、ゆっくり降りようと決めていたものの、やはり「早く降りたい」気持ちが先行して、どうしても急いでしまいがち。膝の痛みは強くなりはじめていた。どれくらい降ったか、いつ間にかあたりは森林になっていて、紅葉樹の落ち葉がふっかふかのナチュラルクッションロードを作ってくれていて、膝への負担をだいぶ軽減してくれたと思う。それでも私の膝は限界にきていたと思う。「早く宿にたどり着きたい」それしかなかった。
 
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宿まで残り5km。そこで「危ないけど近道」「安全だけど回り道」の二択を選ばなければならないポイントに差し掛かる。雨は、もう”土砂降り”という表現に近いほどに強くなっていた。何人かの巡礼者は「近道」を進んでいった。迷ったが、たまたまその場にいた男性が「回り道を行こう」と誘ってくれたので、これも何かのご縁かと思い、彼についていくことにした。たしかに安全な道だった。しっかりと整備されたコンクリートの道路が、山の下の下の方まで続いていた。が、かなり長い道のりだということも、山の上からでもわかった。たっぷりと水分を含んだトレッキングシューズと限界を越えた膝という最悪のコンディションの上に硬いコンクリートから直に受ける刺激が、最高に苦行だった。途中、山下に雲海が見えた。土砂降りだったが、せめてもの思い出を残そうとカメラを向けた。それからは、もう精神力で乗り切ったとしかいいようがない。「はやく宿につけ」とブツブツ唱えながら、今日の天候に怒りをぶつけるのと同時にストレスも発散した。5kmを進むのに、1時間半以上はかかったんじゃないかと思われる。
 
 
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やっと見えた修道院の屋根。「とにかくはやく受付したい」という無心の思いで、裏庭から道なき道を進み、アルベルゲの入り口のある棟にたどり着いた。ここはハリーポッターさながらの石造りの重厚な造りで、修道院を改装した200名近くを収容できる大型のアルベルゲ。多くの巡礼者が峠越えをしてここに泊まるという有名な場所。寒くて寒くて手がかじかんで、受付で自分の名前が震えて書けなかった。館内は大勢のシニアスタッフがいて、部屋への案内や洗濯ルームの説明など、スムーズに巡礼者をさばいていく。大勢が泊まるといえば「収容所」のようなイメージだったが、数年前に改装されたのか、部屋もベッドもシャワールームもかなりキレイだった。まずは真っ先に暖かいシャワーをあびて、しばらくベッッドの寝袋にくるまって、足のマッサージしながら、徐々に「峠を越えた」という実感と達成感が湧いてきたのを覚えてる。「やったんだ、ついにやったんだ」とフツフツとこみ上げるものがあり、もはや巡礼が達成できたような気持ちになっていた。まだ巡礼1日目なのである。
 
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食事の前に初めてのミサに参加した。やり方がわからないので一番後ろの方に座り、キョロしながら、座ったり、立ったり、お祈りしたり、”アーメン”と呟いたり、周りの人を見よう見まねで、一通りを体験してみた。途中、教会の女性が袋を持って回ってきて、いくらかの寄付金を入れ、最後に回りの席の人たちと握手をして、終了。特に印象に残ったことはないが、教会内の雰囲気と、美しい装飾やステンドグラスや絵画は素晴らしいと感じた。あとで聞いたところ、巡礼ルートの教会はほとんどがカトリックで、ミサもカトリック方式で行われる。全部スペイン語で行われるところもあるが、英語通訳がいるところもあった。基本的に誰でも参加が可能だそう。
 
 
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ミサのあと、やっとその日の夕食にありつけた。はじめての”ペリグリノメニュー”(巡礼者専用のコースメニュー)を体験してみた。たまたま居合わせたテーブルのメンバーと会話しながら、ワイン、前菜、スープ、メイン料理、デザートをいただいていく。朝食から何も食べてなかったので、本当にありがたみを感じる食事だった。疲れた身体にワインが回りすぎないよう気をつけながら、巡礼1日目が終わったのでした。
 
 
 

【1日目】スペイン巡礼 〜Roncesvalles⑴

2017/06/04

初日。

5時半に起床し、予約しておいた朝食を6時半にとるために下のダイニングにおりていくともう既に何人かのグループが朝食を食べていた。
 
クロワッサンにソーセージ、フルーツ。次に何時頃食事が取れるかわからないから、とりあえずたくさん頂いておいた。
 
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同じテーブルで食事をとった2グループは偶然にもアメリカ出身だった。峠越えを目指すグループと、迂回してハイウェイを行くグループ。まったく想像もつかないお互いの行程に、不安と興奮でいっぱいだった。
 
先に失礼して、出発の準備に取り掛かった。「早く出発しなくちゃ、夕方までに辿りつかない」「宿がなくなったらどうしよう」と、下調べしすぎて余計な不安だらけだった。
 
宿を出かける直前、同じ宿に泊まっていた女性と一緒に出発することになった。”町を出てから山の入り口がわかりにくい”と巡礼事務所でもらった地図に書いてあったし、旅のお供がいる方が安心かもしれない、と思った。
 
6時半、宿を出ると外は案の定、雨だった。
 
中世の街並みを残しているかのような石畳の道を下り、時計塔がある門を潜ると、山へ向かう車道に出た。町を出た途端にゆるい上り坂が始まり、ここから頂上までひたすらの登りが続くのだった。
 
霧雨のような雨が降っていた。道も草木も雨に濡れて青々と生き生きしていて、そこにある風景はまさに日本の田舎の村と変わらなかった。空気もしっとりと、本当にまるで日本の6月を田舎で過ごしているかのような気分だった。
 
 
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しばらく車道がき、いよいよ傾斜もきつくなりはじめた頃、周りは広々とした牧場のような地帯になってきた。ポツポツとあった家もなくなり、完全に山を登り始めた。急な斜面に無理やり作ったヘアピンカーブのコンクリートロードをひたすらに折り返し折り返し登ってゆく。気づくと折り返し歩いてきた山下の道に、雲がかかっているのが見えた。知らぬ間に、雲の中を歩いていたようだ。
 
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そして、ついに道は”牧場の中”に入った。コンクリートだった道路も舗装されていないぬかるんだ泥の道になり、ついには家畜の糞だらけになった。ここからの道が本当にきつかった。傾斜もきついが、何しろ足場が悪く大きな石が多くて歩行が安定しない。そして糞尿のものスゴイ悪臭。息が切れ切れに、時に這いつくばって登る人間たちを、柵の向こうの牛たちがのんびりと眺めていた。時々尻尾を左右に振るが、私たちに対して興味があるようではなかった。
 
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多めに休憩をとりながら進んだ。他の巡礼者たちも、カーブのたびに水をのみ、下を眺めては、また上を眺め、「あとどれくらいこの道が続くんだろうか」と途方にくれたりしていた。
 
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出発してから3時間後、最初で最期の休憩地点のOrisson村についた。バーを併設したアルベルゲになっており、峠を越える巡礼者にとっては最期の水分補給地点となっていた。体力に自信のない人はここのアルベルゲに泊まって、翌日一気に峠越えをするそう。アルベルゲはインターネットでも予約が可能(英語サイトあり)だが、常に混んでいるので予約は早めにしたほうがよいとのこと。
 
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宿を一緒に出発した女性と一緒に、気合い入れのコーヒーを飲むことにした。砂糖をいっぱい入れて、糖分を補給。休憩をとっていた5分のうちに、続々と巡礼者が到着し混み合ってきた。つかの間の休息後、峠越えに向けて重い腰を上げた。が、わたしたちはバックパックから雨合羽を引っ張り出す必要があった。
 
外は見事に真っ白だった。霧雨も、水滴を十分に感じられるほどの雨になっていた。まさか初日からレインコートを使うことになるとは思ってもみなかったが、これもあたえられた試練。初めて使う真新しいレインコートは、自分一人で着ることさえ難しく、早速旅の相棒に助けられ、そして私も彼女のレインコートのボタンをはめてあげた。
 
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道は、泥んこの悪臭ロードからまたコンクリートに戻り、引き続きヘアピンカーブが続いた。今まで歩いてきた道が遥か下のほうに見えた。霧と雨で、あたりが暗くなってきた。このまま峠を越えられるかどうか不安になってくるが、もう最後の村を出発してしまった以上、越えるしかないことは明らかだった。
 
あたりは徐々に高い草木がなくなり、下草が広がる高原のような景色になってきた。霧の中でもわかるほど青い草原の先に、白い雲に覆われた空が広がっていた。もうだいぶ高いところまで登ってきたんだと感じた。道は驚くほどきれいに整備されたコンクリートの道路で、道の先は霧の中に消えて、次にどれくらいでカーブがくるのかわからないほどだった。気づかなかったが、宿から一緒に歩いてきた女性も、いなくなっていた。重いバックパックが肩にのしかかり、肩のじんじんと痛くなっていた。足もクタクタで、気力だけで足を前に出しているようだった。「疲れた」「痛い」と嘆く気力もなくなってきて、ただただ無心で足を前に進めた。
 
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そして巡礼事務所でもらった地図の通り、峠を越えるためにコンクリートの道を右方向を目指すポイントにさしかかった。霧の中でこのまま見つけられずに迷ってしまったらどうしようと思ったが、なんとか無事に進むべき方向に足を進めることができた。先人の巡礼者たちが道を踏み固めてくれているおかげで、草原の中に草の生えていない巡礼の道ができていた。ありがとう。それに沿って、最後の岩を上り詰めると、「おそらくここが峠のてっぺんではないか?」と思われる地点を通過した。晴れていれば、そこから素晴らしい峠の景色が見えたのではないかと思うが、あたりは数メートル先がもう見えないほどの濃霧。残念だけど、これも試練...と自分を納得させるしかなく、そそくさと峠を越えて、下りの道にさしかかった。